作品か技術か、録画かライブか リアルタイムキャラクターが提起するアニメとアニメーションの境界

VTuberから考える、表現法としてのアニメ

アニメとアニメーションに新たな境界を提起したリアルタイム

 これまでのアニメとアニメーションといえば、技術的には作画枚数の差異に関して秒間24フレーム(コマ)をフル(アニメーション)、それ未満をリミテッド(アニメ)と呼ぶ話が定番になっていた。

 ところが今、カメラや配信でも秒間60フレームが普及しているため、フルでもリミテッドになってしまっている状況だ。そのため秒間24フレーム以内を前提とした制作でも、後にフレームを分割するなどして対応する場合もある。

 また作品的には国内外を問わず、日本のマンガ的なキャラクターが出てくるものをアニメ、それ以外のものをアニメーションと呼ぶ状況もある。日本でも海外を、海外でも日本を、それぞれ意識したキャラクターが登場していたりで、両者の単純な比較は難しい。

 そして新たに、アニメとアニメーションの境界をリアルタイムキャラクターが提起する状況になった。実写作品に3DCGのキャラクターを登場させる場合でも、実写に寄せていれば別の扱いだったのとは異なる境界の提起になっているのが興味深い。

(画像=Pexelsより)

■真狩祐志
東京国際アニメフェア2010シンポジウム「個人発アニメーションの15年史/相互越境による新たな視点」(企画)、「平成30年史 激変!アニメーション環境」(著述)など。

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