再注目される「メタバース」ビジネスーーバーチャルライブプラットフォーム運営のWaveが計43億円調達に成功

再注目される「メタバース」ビジネス

メタバースでは不死になる?

 さらにWIRED.JPは9日、『「フォートナイト」の次は? これからの「ヴァーチャルライヴ」の行方』と題した記事を公開し、最近のメタバースライブ事情を特集した。その特集で取りあげられているVRに特化したコンテンツスタジオV.A.L.I.S. Studioのピーター・マーティンCEOは、バーチャル空間内で死去したアーティストを復活させたり、若返らせたりすることに期待していると発言した。死去したアーティストを復活させる事例は日本でも「AI美空ひばり」があり、若返らせる事例にはNetflixオリジナル映画『アイリッシュマン』がある。これらはディスプレイを介した体験だが、バーチャル空間で体験すれば、よりリアルなものとなるだろう。

 死者を“復活”させる技術は視覚面だけではなく、聴覚面でも進んでいる。AI技術研究機関のOpen AIは4月30日、楽曲生成AI「Jukebox」を公開した。同AIを使うと、歌手の名前とジャンル、歌詞を入力するだけで楽曲を生成できる。同AIが画期的なのは、物故した歌手も選べ、また歌手が一度も歌ったことがないようなジャンルを指定できるところだ。

 以上のようなアイデアや技術を使えば、将来的にはバーチャルライブ会場で物故した歌手と存命の歌手のデュエット、さらには歌手が若返った自身とデュエットする「セルフデュエット」も体験できるようになるかも知れない。もっとも、こうした体験をビジネス化するには、復活したアーティストの著作権をめぐる問題を解決する必要があるだろう。

トップ画像出典:Wave公式サイトより画像を引用

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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