宮迫博之の“テレビCM復帰”に見た、YouTuberヒカルの「金と好感度に縛られない強み」

 番組とCMでは、“復帰”と言っても別物だ。しかし、これほど早く、テレビで活躍する宮迫の姿が見られると予想した人は少なかっただろう。

 宮迫がYouTubeでの活動をスタートさせたとき、ヒカルという必ずしもクリーンな印象ではない、いわばYouTube界の“ダークヒーロー”を頼ったことに、マイナスの見方もあった。しかし結果として、宮迫を遠慮なくいじり、「高級店ばかり行ってそうでイメージが悪い」とファミリーレストランやラーメン店に連れ回し、いつしか年の離れた友人のような距離感で、素の表情を引き出していったヒカルは、ついにテレビCM出演までの道をつないだ。宮迫にいくらシンパシーを感じていても、業界関係者にはできなかったことだろう。

 ネットを起点に小さくない規模で物事を動かすことができる、資金力と影響力。そして業界的な慣習にも、世間的な好感度にも左右されず、ネットで注目を集めるコンテンツを作るというスタンスと能力。それら全てが好意的に捉えられるかどうかは別として、ヒカルの協力で、エンターテイナーとしての宮迫の純粋な部分に触れ、その面白さを発見/再発見し、応援するファンは明らかに増えている。

 今回のCMについて、「宮迫さんが出演しないならやらない」「ギャランティーはいらないから、その分を商品の割引キャンペーンに回して盛り上げたい」と、男気も見せていたヒカルだが、あくまで「自分のため」として涼しい顔だ。タレントYouTuberも激増しているなかで、有名芸能人からアドバイスの依頼も舞い込んだというヒカル。その影響力がテレビを含むマスなエンターテイメント業界にどれだけ及んでいくか、注目が集まる。

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