『さよならプロポーズ』シーズン2・第3話ーー子どものために夢を諦めるべき? 大切だからこそすれ違う価値観

『さよならプロポーズ』S2、第3話レビュー

 「自分のせいでリュウイチ君が『俳優』って夢を諦めるほうが嫌」

 交際約2年、収入面で結婚に踏み切れないリュウイチ(30歳)は“俳優をやめるか”苦悩する。そんなリュウイチにユカリ(32歳)は厳しい表情でこう言った。

 メキシコ2日目、民芸品店に入ったリュウイチとユカリは、夫婦で店を切り盛りしてきた女店主と出会う。25年間夫婦生活を送ってきたという彼女に、ユカリが夫婦で困難を乗り越える秘訣を聞くと、彼女は「大切なのは、あなたが感じたことを毎日彼に伝えること」「内に隠してしまうと、解決の糸口が探せなくなるから、彼との問題が起きたその時にちゃんと話すのよ」と答えた。店主は「あなたたちはお似合いだから素敵な夫婦になってほしいわ」と言い、リュウイチとユカリは、照れながら顔を見合わせ、とても嬉しそうだった。

 二人は眺めのいい丘へやってきた。恋人たちはこの丘で、南京錠に二人の名前を書き、愛を誓い合うようだ。ワクワクした表情で「これやりたい」と話すユカリを、リュウイチは穏やかな表情で見つめる。ユカリに寄り添うリュウイチの姿からは、彼の優しさが伝わってくる。

 だが、ユカリの幸せを願うリュウイチが発した言葉に、ユカリは顔をこわばらせた。

 メキシコで出会った人々の言葉は、リュウイチに「お金より大切な物」を教えてくれた。しかしリュウイチは「日本ではお金は必要」と口にし、「今やっている夢(俳優)を諦めて、普通に仕事したほうがいい」と今の思いを打ち明ける。その瞬間、リュウイチを見つめるユカリの表情が険しくなった。ユカリは語気を強め、「それって本気で言ってる?」と問い詰める。彼の俳優業への思いを知るユカリは強い口調で「自分のせいで(リュウイチ君が)夢を諦めるのは嫌」と言い、リュウイチと一緒に生きるためなら「(子どもを)生まなくてもいい」と口にする。リュウイチに「それで幸せなん? ほんまに幸せって言える?」と問われても、ユカリは「とにかく夢を諦めてほしくない」と言い切った。

 メキシコに渡る前、リュウイチは親友と会っていた。かつて同じ夢を追っていた親友も、今は助監督など制作の仕事に就き、結婚し、子どももいる。俳優を目指す道を進まなかった親友だは「今までとは種類の違う幸せがいっぱいある」「今は幸せやなって思える」と言っていた。

 リュウイチは俳優業に強い思いを抱き続けているが、ユカリにも生まれてくる子どもにもお金で苦しむ生活をさせたくない。両方とも彼の本音だ。しかしユカリもまた、夢に向かって進むリュウイチを強く思っていた。互いを想い合う二人だが、あと5日で答えを見つけられるだろうか。

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