『初音ミク Project DIVA』10周年最新作が発売 初音ミクが刻んだ足跡を振り返る

『初音ミク Project DIVA』の10年を振り返る

ゲームシステムから見るVTuberとの類似性

シリーズ最新作『MEGA39’s』のプロモーション映像

 『MEGA39’s』では、選んだ楽曲をリズムに合わせてプレイし、初音ミクに最後まで歌唱させることを目的としている。プレイ中はモーションキャプチャーによってリアルに動く彼女が画面を彩る設計だ。また、コスチュームや髪型をカスタマイズして、自分好みのビジュアルで彼女をゲーム内に登場させることもできる。プレイヤーひとりひとりがパフォーマー・初音ミクを自由にプロデュースできる、『MEGA39’s』はそんなタイトルとなっている。

 本来、初音ミクという存在は、ユーザーが自身の表現を補完するためにツールとして扱う代物だった。しかし、同タイトルに登場する彼女には間違いなくアイデンティティがあり、アイコンとしてひとつのコンテンツになっている。その姿はVTuberに通ずるものとも言えるだろう。

 遡って考えると、VTuberというカルチャーもまた、初音ミクの登場によって発芽したものと言えるのかもしれない。現代のカルチャーにさまざまな影響を与えた彼女の存在。そのようなことを考えながら、『MEGA39’s』をプレイするのも一興なのではないだろうか。

 初音ミクの歴史はこれからも紡がれていく。10周年を記念したアニバーサリータイトルの発売は、まだ続く道の1ページに過ぎない。

(C)SEGA

■結木千尋
ユウキチヒロ。多趣味なフリーライター。
執筆領域は音楽、ゲーム、グルメ、テクノロジーなど。カルチャー系を中心に幅広いジャンルで執筆をおこなう。
人当たりのいい人見知りだが、絶対に信じてもらえないタイプ。Twitter:@yuuki_chihiro

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