『ハリー・ポッター』の世界や東京の街並みまで完璧に再現 『マインクラフト』で隆盛する"再現文化"

『ハリポタ』や東京も再現する『マイクラ』文化

"現実世界"や"ゲームそのもの"を再現する猛者も

 少し視点を変えてみれば、システムの大部分を改変するMODを使わずに、外観の再現に注力するユーザーも数多く存在する。

 2020年1月11日にTwitter上でとあるユーザーが投稿した画像には、高層ビルや東京タワーのライトアップが煌びやかな東京の夜景が収められている。「約2年半をかけて完成させた」とツイートにある通り、作者の相当な労力と高度な建築テクニックが伺える芸術作品だ。

 少しさかのぼること2019年4月には、任天堂公式Youtubeチャンネルにて、「『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のハイラル城をマインクラフトで作ってみました。」という動画もアップされている。こちらはマイクロソフト公認の制作チームが作中に登場するハイラル城を再現。城壁や外観に加え、内部の精密なオブジェクトに至るまで作りこまれており、ゲームは違えど、荘厳さがヒシヒシと伝わってくる。

 また再現文化に広く目を向けると、"ゲーム作品そのもの"を『マインクラフト』内で起動させる例も珍しくない。海外に拠点を置くMrSquishy氏は、過去に『パックマン』と『ポケットモンスター』のゲームシステムをまるごと再現するプロジェクトを遂行した。この2つは大掛かりなModを使用せず、指令を伝えるコマンドブロックを用いて制作されている。実際に起動中の様子は動画から確認できるので、興味がある方はぜひ視聴してもらいたい。

 Modを使ったファンタジー世界の創造に始まり、日常生活と馴染み深い現実の地域やゲームの起動プログラムなど、『マインクラフト』を舞台に行われる再現文化はとどまるところを知らない。既にオリジナル版の発売から9年が経とうとしているが、人間が潜在的に秘めるクリエイティブな感性が枯渇しない限り、これからもアッと驚く作品が続々と生まれていくのではないだろうか。

(画像=https://youtu.be/tVVnw6LNtaIより)

■龍田優貴
ゲームの尻を追いかけまわすフリーライター。時代やテクノロジーと共に移り変わるゲームカルチャーに目が無い好事家。『アプリゲット』『財経新聞』などで執筆。個人的なオールタイムベストゲームは「ファミコン探偵倶楽部」シリーズ。Twitter:@yuki_365bit

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