AI×オーケストラで“優しい音楽教育”を体感! 『バーチャルオーケストラ』を指揮してみた

『バーチャルオーケストラ』指揮してみた

 

「バーチャルオーケストラ」を制御しているPC画面(C)ヤマハ株式会社

 終了後、担当者に話を聞いてみると、この立体音響はヤマハが誇る立体音響技術「ViReal™」で録音・編集・再生されているという。64個のアンビソニックマイクを2機使用して録音した音が17個ものスピーカーを使ってダイナミックに再生されたからこそ、このような臨場感が生まれたのだという。動きを感知して音をコントロールする仕組みについては、SwitchScienceの6軸センサーを使用し、Wi-Fiを使って動きをコントロールルームの専用ソフトウェアへ送信。同ソフトウェアを介してAIが指揮の動きからテンポを割り出し、その結果が映像と音に反映されていた。

「バーチャルオーケストラ」体験時、腕に装着するセンサー(C)ヤマハ株式会社

 また、今回の催しに小学校低学年くらいの子どもも参加しているのを見て、「誰しも2拍子を正確に振れるわけではないが、その動きはどう認識しているのか?」といった質問を担当者へ投げかけたところ、「今回の展示を想定して、指揮未経験者を集め、あらかじめ“素人の指揮がどのような動きか”を学習させたAIを開発した」のだという。子どもたちが楽しく指揮者の仕組みを学べるコンテンツの裏には、このような企業努力があったのだ。

 そのほかにも、楽器の体験コーナーや楽器を実際に“作ってみる”コーナー、0歳から参加できるコンサートなど、普段は敷居が高くてオーケストラコンサートへ足を運べない世代に、優しく楽しい音楽教育の大事さを教えてくれた『サラダ音楽祭』。担当者によると、来年以降の開催も計画しているとのことだ。筆者も0歳の息子がいるので、次回は万全の状態で親子共々楽しんでみたい。

(取材・文=中村拓海/トップ画像提供=(C)東京都交響楽団)

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