Apple TV+、11月に約10ドルでサービス開始? 初年度から制作費60億ドルを投入

増える動画視聴アプリの利用

 AppleとDisneyが参入してますます活況を呈する動画ストリーミングサービスは、一般消費者の生活にどのような影響を与えているのだろうか。ビジネスメディア『netimperative』が昨年12月に公開した記事を参照すると、こうした疑問に見通しを立てることができる。現在の一般消費者は、毎日7.5時間メディアの消費に時間を費やしている。近年のメディア消費行動の傾向として、動画視聴アプリの視聴時間が増えていることが指摘できる。その増加量は、2019年には2016年の110%増(つまり2倍強)となっている。メディア消費時間全体が大きく増えたわけではないので、動画視聴アプリがテレビやインターネットといったほかのメディアの消費時間を奪っている、と見ることができる。そして、こうした動画視聴アプリにはNetflixやAmazon プライム・ビデオといった動画ストリーミングアプリが含まれているのだ。

 ビジネスメディア『Venture Beat』が今年3月末に公開した記事では、2018年における消費時間にもとづいてランキングした動画視聴アプリのトップ5を主要国ごとにまとめている(下の表を参照)。中国を除くすべての国でもっとも視聴されているのは、やはりYouTubeだ。2位以下は各国で異なるものも、NetflixとAmazon プライム・ビデオの名前が目立つ。各国と比較すると、日本が特異なのがわかる。日本ではNetflixがトップ5に入らず、代わりに国産アプリであるniconicoとAbemaTVがランクインする。

Venture Beat「Global video streaming market is largely controlled by the usual suspects」

 以上よりNetflix等を含む動画視聴アプリの利用時間は世界的に見て増加傾向にあるが、日本は独自の動画視聴文化を形成していると言える。それゆえiPhoneの普及率が高い日本であっても、グローバル展開されると思われるApple TV+が流行するかどうかは予断を許さないだろう。

トップ画像出典:Apple「Apple TV+」公式ページからロゴを抜粋

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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