中国のアリババ、通勤途中にアプリ注文&店舗受け取りの朝食サービス開始

中国・アリババが新たな朝食アプリ発表

巨大レーンの上を走るロボットカーが料理を運ぶ

 調理が必要な海鮮類の料理を運んでくるのがロボットカーであることや店内ディスプレイが近未来をイメージしていることで、未来型の「無人ロボットレストラン」としてエンターテイメント性も高く、週末は家族連れを中心に混雑している。

宇宙や近未来をイメージした店内ディスプレイ

 こうして見ると、アリババグループの快進撃が続き、市場での勢いを感じるのだが、一方、「盒馬鮮生」で閉店する店舗も出ているし、陳列している商品の品質問題などがとりあげられるなど課題も多く抱えており、そのほかに打ち出している新しい業態全てが成功しているとは限らない。新しくオープンさせても市場に全く浸透しない業態もある。

 そもそもどうして、こう次から次へと新たな戦略を打ち出していくのか。

 それは中国の消費者市場の変化によるところが大きい。消費者ニーズの個性化、多様化により、様々なニーズに対応する戦略や業態を打ち出して、中国市場で生き残っていく必要があるからだ。

 そのためには、経営側もこれまでの「商品をつくり、販売するだけ」のスタイルから、「消費者ニーズを理解した商品、サービスを提供する」スタイルへの転換がせまられている。アリババグループで言うならば、それらが、前述の「盒馬鮮生」やコンビニの「盒馬F2」などであり、朝食特化の「Pick ‘n Go」になるわけだ。

 アリババが「ニューリテール戦略」という言葉を使い出したのは2016年。当時、「オンラインとオフラインの融合をめざすニューリテール戦略」という言葉を聞いてもなかなかそのイメージがつかめなかった。

 ところが、「盒馬鮮生」という実店舗ができたことで、このニューリテール戦略が明確にみえてきた。アリババグループも「盒馬鮮生」の誕生で、オンラインとオフラインの融合による新たな消費モデルの構築に成功したとも言える。

 今後もアリババグループのこうした方向性は揺るがず、オンラインとオフラインの融合による更なる相乗効果をめざし、驚くような仕掛けを展開していくことが期待できるので、アリババグループの動向からますます目が離せない。

〈参考〉
http://www.linkshop.com.cn/web/archives/2019/427510.shtml
https://new.qq.com/omn/20190502/20190502A016YF.html
https://www.jfdaily.com/news/detail?id=66632

■フライメディア
株式会社フライメディアは映像制作を中心に、海外、主に中国、台湾、香港のリサーチ、撮影コーディネーションサービスを提供中。現地情報を詳細に解説している。https://flymedia.co.jp/

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