伊沢拓司率いるQuizKnockの動画はなぜ面白い? “クイズ王”ならではの企画力に迫る

スポーツ観戦にも似た“観る快感”

 期待を常に上回ってくるという意味合いとも似ているが、QuizKnockの動画にはいつも“観る快感”が備わっているように感じられる。それはスポーツ観戦にも似た類の快感だ。QuizKnockの動画で展開されるクイズ問題というのは、レベルが高すぎるがゆえに、たとえば筆者のような凡人には到底答えることができない。それでも観ていておもしろいと思わされてしまうのは、彼らが“真剣に”クイズに取り組んでいる姿が、しっかりと描写されているからだろう。どの動画を観ていても、その“真剣さ”に胸を掴まれるのだ。これは他のYouTube動画を観ていても、なかなか得ることができないものでもある。

 真剣に取り組んでいるからこそのおもしろさ。それが一番あらわれるのは、ガチのクイズ問題にガチで挑戦する動画だろう。クイズプレイヤーとしての彼らの実力を直に垣間見ることができる企画だ。

伊沢以外にクイズ王はいないの!?ガチ早押し大会でクイズ王決定

 「クイズ王はひとりじゃなくてもいいのでは?」という疑問からクイズ王の伊沢拓司を除くメンバーで競われた「ガチ早押しクイズ大会」。これに関しては観ていただいた方が早いかもしれないが、観ればおそらくその真剣さと彼らの一挙一動に驚かされるはずだ。得てして、メンバー個々の魅力も浮かび上がってくる。それはもうほとんど、サッカープレイヤーを観ているのと同じ目線かもしれない、圧倒的なスキルへの畏敬のあらわれだ。

 こうしてYouTube界だけでなく、クイズエンターテイメント界をも揺るがし続けるQuizKnock。テレビや出版の世界への進出も目立っているが、本日7月22日には『沼にハマってきいてみた』(NHK Eテレ)にて「クイズ沼」という企画をプロデュースし、出演することも決まっている。どんな魅力的なコンテンツを届けてくれるのか。クイズのおもしろさを伝え続ける彼らの活躍に、今後も大いに期待していきたい。

■原航平
1995年生まれ。ライター/編集。映画やドラマ、演劇などのカルチャーをこよなく愛する。YouTubeは日々の癒し。Twitterブログ

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