Microsoftが“ゲームストリーミング用モバイルコントローラ”の特許取得 xCloud用Xboxの噂も

真のライバルはフォートナイト?

 以上のように料金体系とプレイ環境をめぐる競争が水面下で活発化している現状を受けて、『Business Insider』は10日にゲームストリーミングサービスに関する特集記事を公開した。この記事では、大きな関心が寄せられている『Apple Arcade』と『Stadia』について詳しく論じている。

 月額料金を支払うと100以上のゲームがiPhone、iPad、そしてMacでプレイできる『Apple Arcade』は、ゲーム機ゲーマーではなくモバイルゲーマーをターゲットとしていると見られている。というのも、ゲーム内広告やゲーム内課金がない『Apple Arcade』は今まで無料ゲームに親しんでいたモバイルゲーマーの相当数を取りこむポテンシャルがあるからだ。もっとも、無料ゲームをプレイしていたゲーマーを取りこむためには、無料ゲームより高品質なゲームを提供する必要があることも指摘されている。

 『Stadia』は『Apple Arcade』とは対照的に、『Play Station』や『Nintendo Switch』が形成する既存のゲーム機市場と競合する。こうした競合関係において『Stadia』が既存ゲーム機より優れている点は、プレイヤーのトータルな支出が少ないことである。既存ゲーム機はゲーム機本体に加えて、ゲームソフトを個別に購入しなければならない。対して、『Stadia』は月額料金と手持ちのPCやスマホだけでゲーム機のゲームに匹敵するものがプレイできる。しかし、ゲーム機の平均的な買い替えサイクルである5年で両方を比較すると、『Stadia』に600ドル(約65,000円)支出することになり、著しく安いコストというわけではなくなる。

 以上のように考察したうえで、特集記事は今後リリースされるゲームストリーミングサービスの最大のライバルは、『Fortnite(以下、フォートナイト)』のような大ヒット無料ゲームであると指摘する。そして、ゲームストリーミングサービスの成否は『Fortnite』のように長期的にプレイヤーの関心を喚起するゲームが作られるかにかかっている、と結論づけている。

 今後ますます激化するであろうゲームストリーミングサービスの覇者を予想するのは、現時点では難しい。しかし、ゲーマーに今よりさらに多くの選択肢が与えられるようになることは間違いないだろう。

トップ画像出典:The Verge「Microsoft’s prototype Xbox controllers for phones look ideal for xCloud」より画像を引用

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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