みのミュージックは『タモリ倶楽部』を目指す? 60~70年代カルチャー伝える入り口となるか

みのが60’sカルチャーの入り口に?

 みのはこれまでの活動の節々で「音楽が好きだ」と熱弁をふるっていたが、亀本との対談で改めてその熱量が伝わってきた。2月1日に公開されたみのミュージック1本目の動画『【MV】ミノタウロス「ひいふうみいよ」』でも、GLIM SPANKYやこの対談で出たようなルーツミュージックにつながるオールディーな雰囲気を醸し出している。さらにピアノ、ホーンセクションを加えることでよりキャッチーな楽曲に仕上がっているのもポイントだろう。マニアックな世界をキャッチーに伝えるという意味で、こうした楽曲はみのの宣言通り、『タモリ倶楽部』のような機能を持ち得るのではないだろうか。

【MV】ミノタウロス「ひいふうみいよ」

 その工夫は楽曲だけでなく動画にも随所に表れている。みのミュージックの動画は、検証やドッキリといった一般的にイメージされるYouTuberというカテゴリーからは少し外れている。しかし、60〜70年代の音楽やファッションが好きな人にはたまらない内容になっていると同時に、こういったカルチャーの入り口として、みのミュージックは今後大きな役割を担っていくかもしれない。

 最初の動画でみのは自身のことを”大衆性に欠ける男”と言っていた。確かに扱っているコンテンツはマニアックなものが多い、しかし、十分な知識量と丁寧な解説から、誰が見ても楽しめる動画にしようという工夫が伺える。そして何より、YouTubeを通じて自分の好きなカルチャーを発信していきたいという熱意と誠意が感じられるものとなっている。今後YouTuberという枠を超え、音楽業界やファッション業界までをも巻き込んだ展開を期待せずにはいられない。

(文=馬場翔大)

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