ワイヤレスイヤホン、最適なエントリーモデルは? SONYやSHURE、それぞれの特徴

ソニー Xperia Ear Duo XEA20JP

Xperia Ear Duo 会話も 音楽も  スマート機能搭載。自然な外音も楽しむ革新的体験

 最後に紹介するのは、ちょっと変わり種。これまで紹介してきたイヤホンは、「いかに音楽に没入できるか?」つまり「いかにヘッドホンの没入感に近づくことが出来るか?」をコンセプトに開発されたといっても過言ではないが、この「Ear Duo XEA20JP」は、それとは全く逆の発想で作られている。つまり、周囲の音と再生している音楽がブレンドされる、革新的なリスニングスタイル「デュアルリスニング」を実現した、完全ケーブルレススタイルのスマートプロダクトだ。

 ソニー独自の音導管設計により、耳をふさがない構造ながら音漏れの低減を実現。ドライバーユニットを耳の後ろに配置し、音導管を通して鼓膜へダイレクトに音を届けることで、周囲の音と機器からの音(音楽など)がブレンドされるというもの。

 「没入型」のイヤホンは、高音質で音楽を楽しみ没頭できる反面、例えば街中で使用していると車が近づく音に気付かなかったり、公共のアナウンスに気付かなかったりするなど、危険が伴うこともある。しかしこのXperia Ear Duoなら、音楽を周囲の音に「溶け込ませる」ことが出来るため、散歩中でもデスクワーク中でも、家事をしている時でも自分の聴きたい音楽を「BGM」として楽しめるのだ。しかもアダプティブボリュームコントロールにより、周囲の環境に合わせた音量に自動調節してくれる。

 スタイリッシュで近未来的なデザインも秀逸。多くのイヤホンは上掛けスタイルだが、Xperia Ear Duは下掛けスタイルで、メガネとの干渉も少ない。ソニー独自の測定データによれば、下掛けの方が上掛けよりも多くのユーザーの耳にフィットしやすいという。装着に少々コツが必要だが、慣れてしまえば確かに快適だ。

 以上、ワイヤレスイヤホンを4種類ピックアップしてみた。ノイズキャンセル、高遮音性、エクササイズ向け、そしてデュアルリスニングと、それぞれ特徴があるので、用途に合わせてベストなイヤホンを見つけてほしい。

■黒田隆憲
ライター、カメラマン、DJ。90年代後半にロックバンドCOKEBERRYでメジャー・デビュー。山下達郎の『サンデー・ソングブック』で紹介され話題に。ライターとしては、スタジオワークの経験を活かし、楽器や機材に精通した文章に定評がある。2013年には、世界で唯一の「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン公認カメラマン」として世界各地で撮影をおこなった。主な共著に『シューゲイザー・ディスクガイド』『ビートルズの遺伝子ディスクガイド』、著著に『プライベート・スタジオ作曲術』『マイ・ブラッディ・ヴァレンタインこそはすべて』『メロディがひらめくとき』など。

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