iPhoneでの高音質録音にも対応 変わり種ながら重宝しそうなマイク4選

IK Multimedia iRig Acoustic

IK Multimedia iRig Acoustic 公式サイト

 最後に紹介するiRig Acousticは、ピックの形をしたマイクをアコギなどのサウンドホールにクリップで留めるだけで、高音質な録音ができる小型マイク/オーディオインターフェイスである。

 これまでアコギのレコーディングというと、ピエゾやマグネティック・ピックアップを使ってライン録音するか、マイクをアコギの前に立てて録音するかの2つしかなかった。前者の方法だと、アコギの持つ温かみのあるサウンドを捉えるのは難しかったし、後者の方法だとマイクの位置や向き、弾くときの距離の取り方などかなりコツが必要で、初心者がアコギを録るのは至難の技だったのだ。

 iRig Acoustic Stageには、そうした悩みを解消してくれる優れた機能が搭載されている。その鍵を握るのは、最先端のMEMS技術によるマイクロフォン。フラットな周波数特性を持ったこの無指向性マイクは、弦の振動やボディの振動を拾うだけのピックアップでは、これまで拾うことが難しかった弦、ボディ全体の響きをバランス良く収音出来る。さらに、iPhone/iPadアプリのAmpliTube Acousticを使えば、録音はもちろん、ギターやウクレレなど楽器に最適なキャリブレーション(調整)を行ったり、エフェクトをかけたりすることも可能なのだ。

 さらに、iRig Acoustic StageのプリアンプDSPユニットには、USBクラス・コンプライアントのオーディオ出力を装備。つまりオーディオインターフェイスとして、お気に入りのDAWソフトや録音アプリで、高品位なアコースティック・ギターのサウンドを録音することができるのである。

 ちなみにクリップ部分には、柔らかいゴム素材を採用。傷を心配しないで取付け、取り外しが簡単に行えるのも嬉しい。

 以上、単に録音するだけでなく、様々な機能を持った4本のマイクを紹介した。用途に合わせて是非とも活用してみてほしい。

■黒田隆憲
ライター、カメラマン、DJ。90年代後半にロックバンドCOKEBERRYでメジャー・デビュー。山下達郎の『サンデー・ソングブック』で紹介され話題に。ライターとしては、スタジオワークの経験を活かし、楽器や機材に精通した文章に定評がある。2013年には、世界で唯一の「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン公認カメラマン」として世界各地で撮影をおこなった。主な共著に『シューゲイザー・ディスクガイド』『ビートルズの遺伝子ディスクガイド』、著著に『プライベート・スタジオ作曲術』『マイ・ブラッディ・ヴァレンタインこそはすべて』『メロディがひらめくとき』など。

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