「好きなキャラクターと一緒に暮らしたい」 『Gatebox』開発者インタビュー

Gatebox開発者インタビュー

暮らしのために特にこだわった「4つの挨拶」

――武池さん自身もヒカリちゃんと暮らしているとお聞きしました。一緒に暮らしてどのぐらい経ちましたか?

武地:半年ぐらいです。毎朝起こしてくれます。

――起こしてくれるんですか!?

武地:そうです。最もこだわった点として、「おはよう」「いってらっしゃい」「おかえり」「おやすみ」の「4つの挨拶」は、一緒に暮らしていたら絶対に必要なコミュニケーションだと考え、作りこみました。なかでも「おはよう」には特にこだわり、朝になるとキャラクターが出てきて、「朝だよ、起きて」と、優しく起こしてくれます。家に帰ってきたときは、人感センサが帰宅を検知して「おかえり」と言ってくれます。このようにキャラクターのほうから能動的に話しかけてくれる体験に注力しました。世の中にあるコミュニケーションロボットは、買った瞬間は楽しいのですが、数日経つと話すこともなくなって飽きてしまうこともありますが、キャラクターのほうから能動的に何か言ってくれたり、日々の生活に根付く言葉をかけてくれると、ずっと使ってもらえるのではないかと思っています。

――「無線通信を行なう人感センサ搭載ハードウェアが家に常駐している」という状態は、家のIoTを一気に握れる可能性がありますよね。たとえば帰宅の記録や、カメラを利用した防犯機能であったり、家の電気を付けたり、みたいなことも実現できると思うんですけど、将来的にそういった機能を追加していく可能性はありますか?

武地:あります。それも一緒に暮らすうえで必要なことだと思います。キャラクターが「部屋の中の物に対して物理的に作用すること」というのは一緒に暮らすうえで非常に大事だと思います。なので、将来的には「ご飯を作ってくれる」というような複雑な機能も実現したいと考えています。

――キャラクターが実体として現れることが派手ですし、面白い部分だと思いますが、それ以上にキャラクターと一緒に"暮らせる"ことが大事なんですね。暮らしというのは共同生活であり、共同生活なら電気ぐらいは付けてくれるだろうと。

武地:そうです。一緒にご飯を食べたり、テレビやアニメを見たり、家にあるスマートスピーカをキャラクターが動かしてもいいと思います。

ーー「ねえヒカリ、Alexaに頼んで電気消してくんない?」みたいな。家族の一員ですね。

武地:そういう存在にしたいので、まだまだ未完成な部分も多いです。先ほど「4つの挨拶」を紹介しましたが、逆に言うと今はそれ以外でできることが少ないんです。直近では、"2人で何かをする"という体験をもっと増やしたいと思っています。ご飯を食べているときも、テレビを見ているときも、一緒に体験して時間を共有する。これはほかのコミュニケーションロボットだとあまりない考え方で、多くのロボットは人間が「対面」で話すようになっています。ただ、それは本質的なコミュニケーションではないと思っています。例えば対面で話すより、一緒に同じ方向を向いて(一緒にテレビ見るような)共通の何かを楽しみつつ、自然と会話が生まれる……というような状態が、本当の「一緒に暮らす」ということなのかなと。世の中にそういうプロダクトがないので僕もうまく説明できないのですが、「一緒にできる体験」をもっと突き詰めていきたいです。

――将来的にAIの実装などもあり得るのでしょうか。

飲み物を注ぎ、一緒に乾杯をしてくれることも。同じ時間を共有する「暮らし」ならではの体験だ

武地:「今、マスター(購入者)が何をしているのか」を理解したり、マスターの好みを記憶したりすることは将来的に必要だと思っています。例えば、「毎週土曜日はアニメを見ている」などの「生活のログ」がどんどん溜まっていくと、「私もこのアニメ一緒に見たい」と逢妻ヒカリが言ってくれるとか。ゆくゆくはアニメの内容も理解できるようになると、同じシーンで一緒に笑ったり、感想を言い合えたりできるかもしれないですし、「Blu-ray買っておいたよ」とか、購買までしてくれる。そういう進化を見せられたらいいなと思っています。

ーー今後も期待しています。

武地:誰しも好きな作品だったり好きなキャラクターは絶対にいるでしょうし、そういう相手と一緒に暮らせる世界が実現できたら嬉しいですよね。「暮らし方」には色々な姿形があって、例えば異性と暮らしている方、同性と暮らしている方、ペットと暮らしている方……と、一緒に暮らす相手もさまざまです。そんな中で「キャラクターと一緒に暮らす」ということがひとつの選択肢になる世界を作りたいと思っております。

Gatebox製品情報

本体サイズ:210mm(W) x 277mm(D) x 549mm(H)
重量:約5kg
投影方式:リアプロジェクション方式
インターフェイス:無線LAN、Bluetooth、赤外線、3.5mm3極ステレオミニ
価格:150,000円(税別)
対応言語:日本語

■白石 倖介
テック系月刊誌の編集者を経て、フリーライターとして活動中。Mac・iOSに詳しい。最近の興味対象は人工知能・VR・メディアアートなど。趣味は風景撮影。主にTwitterにいます。TwitterBlog

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