コーディネートはAIに任せる時代? チームラボ開発「メチャカリ」チャットボットの実力に迫る

 今回このAIを使ってみたことで、販売員の必要性についても考えさせられた。筆者はアパレル店員の経験があるが、販売員とコミュニケーションをとって買い物をすることを嫌がるお客様も中にはいる。そういった客層に向けて、チャットでAIが提案してくれるというのは心置きなくショッピングを楽しめるし、コーディネートに不安を抱えることもなくなる。どの客層に向けても快適な環境で服を楽しんでもらうという視点では非常に革新的な開発ではないだろうか。また、メチャカリはレンタルサービスである。服を”返却”することで、自身でクローゼットを整理する手間も省けるのだ。最新のトレンドの服をオンタイムで着ることができ、トレンドから外れたアイテムは自動的に排除されていくようなシステムは効率的にファッションを楽しめるだろうと感じた。 

 しかし、販売員の視点から見ると現状のAIの結果では販売員が持つスキルと同等の提案力はないとも感じてしまった。AIにはまだ、”系統”というファッションの概念が掴めていないように見受けられる。あくまで、シルエットや柄、データに基づいた確固たる情報を頼りに提案しているのだ。しかし実際に人が服を着る時には、同じようにフレアロングスカートでもストリートスタイルで着るかガーリーに着るかなど振り幅が広く存在する。そういった少し高度なファッションを提案するには今一歩というところだろう。今のAIが得ているデータが”顧客の好み”であるのならば、今後はその顧客に対して”実際に販売員が勧めたコーディネート”のデータも含めたら精度は高まるのではないだろうか。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■「メチャカリ(MECHAKARI)」
新機能導入日:2018年10月16日(火)
公式サイト :https://mechakari.com/
ダウンロード
App Store  :https://itunes.apple.com/jp/app/fasshonrentaru-mechakari/id1029797977
Google Play :https://play.google.com/store/apps/details?id=com.mechakari&hl=ja

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