『ときメモ』から『悪魔城ドラキュラ』まで 古参ゲーマーも唸らせる『ときめきアイドル』のコナミ名曲群

『ときめきアイドル』需要にマッチした楽曲

 その後も、

・『悪魔城ドラキュラ』
・『ツインビー』
・『がんばれゴエモン』
・『月風魔伝』
・『幻想水滸伝』

 といったタイトルからの楽曲をゲーム内に、しかもかなり速いペースで連続投入してきている。これらは「特別楽曲」として設定されており、歌もダンスも存在せず、ジャケット画像が表示されるのみである。しかしながら、この割り切った判断は高く評価したい。楽曲を迅速にゲームに追加するのは費用面でも制作工数的にも懸念点が多いはずだが、過去の関連作で使われていたアレンジ版や音ゲー収録版をリサイクルすることで、プレイヤー層の需要にマッチした楽曲を実装しているのである(唯一、『グラディウス』のアレンジ曲のみ新録で追加されているのだが、その楽曲構成から『ノスタルジア』に収録予定があるコラボ楽曲なのでは? という期待を感じさせるものになっている)。

 かといって本作が古参ゲーマー向けに特化しすぎているわけではなく、もちろん新曲も随時投入されていたり、L.E.D、Sota Fujimori、といった現役BEMANIコンポーザーによる新曲も収録している。本アプリを初出として『jubeat』や『ポップンミュージック』、『Dance Dance Revolution』などの現行アーケード作品へ楽曲が逆輸出されている点も良い展開だ。もっと双方向に、積極的にやって頂きたい。

 ゲーム歴が軽く30年を超えて健康診断で苦言を呈される老害ゲーマーたる筆者にも優しく、前知識のない新規音ゲーマーにも遊びやすい仕上がりの本作。基本無料で配信されており誰でも気軽に試すことができる。その気があればガチャにリアルマネーを突っ込んで推しメンバーの衣装を充実させるようなハードコアな遊び方にも応えてくれるだろう。今後の楽曲追加に期待しつつ、継続して遊んでいきたいと思う次第だ。

■山崎 罰帝
音ゲーが好きすぎて連日ゲーセンに通って解禁作業が忙しいゲーム脳ファンシーおっさん。
現在はプロデュース業の傍らソシャゲ業界の裏方スタッフとして潜伏しつつ何故かアプリに楽曲が収録されたりして今年コンポーザーデビューを果たす。商業メディアへの寄稿は「モバマス」の初CD発売時のレビューを書いて以来6年ぐらいぶりという運命。
Twitter:@baddy

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