『絶体絶命都市4Plus』体験版に見る、“災害のリアリティ”と“ゲームらしい遊び心”の両立

生存するための最適解を求められる操作システム

 とはいえ、これはあくまでゲームである。アクションゲームの重要なポイントである、操作方法についても確認しておこう。本作はサバイバル・アクションアドベンチャーということもあり、プレイヤーが取れる行動は「移動(ダッシュ移動)」「踏ん張る」「呼びかけ」などである。障害物を軽々と飛び越えるジャンプやローリング回避は不可能なので、状況に応じた慎重な行動が基本となるだろう。とはいえ、あまりに行動が遅すぎると定期的に起こる余震に対応できない。フィールドは常に被災の危険が溢れており、ちょっとした余震で電柱が倒れたり巨大なビルが倒壊してあたり一面が瓦礫の海になってしまう。実際に筆者も、体験版プレイ中に、ビルの倒壊に巻き込まれてしまった。

 しかし、これは決して理不尽な難易度ではない。地面の揺れと共に地鳴りが聞こえたら、むやみに動かず地面に伏せて踏ん張れば良い。この「異変を察知→踏ん張ってやり過ごす」というシリーズお馴染みのルーティーンは、『絶体絶命都市4』でもしっかり受け継がれていた。またプレイ中コントローラーの振動機能の有無を切り替えられる。より臨場感を味わいたいなら、振動機能オンでプレイするのがおすすめだ。

絶体絶命都市4Plus -Summer Memories- - PS4

 まだ冒頭から序盤部分の感想になるが、過去シリーズの経験者は進化に驚き、変わらない魅力に安堵する作品になっているように思う。本作から『絶体絶命都市』シリーズに触れるユーザーは、災害のリアリティと、あくまでゲームであることをリマインドさせる遊び心が、絶妙なバランスで調和しているところに新鮮さを感じるかもしれない。製品版の発売まで時間があるので、細かい仕様が変わる可能性もあるが、作中の雰囲気やプレイ感覚を掴むためにも、気になるユーザーは体験版をダウンロードしてぜひ遊んでみてはいかがだろうか。

■龍田 優貴
ゲームの尻を追いかけまわすフリーライター。時代やテクノロジーと共に移り変わるゲームカルチャーに目が無い好事家。『アプリゲット』『財経新聞』などで執筆。
個人的なオールタイムベストゲームは「ファミコン探偵倶楽部」シリーズ。
Twitter:@yuki_365bit

■絶体絶命都市4Plus -Summer Memories-
対応機種:PlayStation®4
対応周辺機器:PlayStation®VR
ジャンル:サバイバル・アクションアドベンチャー
発売日:2018年10月25日発売予定
価格:7200円(税別)
プレイ人数:1人
CERO:審査予定
公式サイト:https://www.zettai-zetsumei.jp/

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