シンカリオン×エヴァンゲリオン、コラボが示した希望ーーロボアニメ23年目の邂逅を読む

シンカリオン×エヴァ、コラボの意味

 『新世紀エヴァンゲリオン』は、どうしようもない人たちがぞろぞろ出てきては、どうしようもない感じになって終わる作品だった。しかし、そんなどうしようもない作品の主人公も、23年経って、多少なりとも他者と協力すれば巨大怪物体にも立ち向かうことができるようになる。前述のようにシンカリオンは優等生的な作品ではあるが、これはそういう作品だからこそ示すことができたビジョンである。

 これは月日が経過し、新劇場版によってエヴァンゲリオンという作品自体が新しく総括されようとしている時期だから可能になったことだろう。逆に言えば、23年が過ぎなくては不可能だったことなのだと思う。しかしそれでも、あのシンジくんが子供向けのアニメに登場し、敵と戦って立派に兄貴分の仕事をこなしたのだ。その事実だけをもってしても、当時からのファンにとっては「人間は変われる」というメッセージとなるのではないか。やはり31話は、『新幹線変形ロボ シンカリオン』という作品だからこそできた救済なのである。

■しげる
ライター。岐阜県出身。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。

■関連情報
公式サイト:http://www.shinkalion.com/
公式ツイッター:@shinkalion
シンカリオンTV:http://www.shinkalion.com/movie/
(c)プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所・TBS
(c)カラー

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