『PUBG MOBILE』プレイレポート:PC版と変わらない臨場感と、モバイル環境への最適化に注目!

『PUBG MOBILE』プレイポート

モバイル版バトロワゲームの競争に期待

 バトルロワイヤル作品のブームに火をつけたPUBGがモバイルゲーム市場に参入したことは、業界内において大きなトピックであった。実際にプレイしてみても、市場を開拓したPC版の良さは存分に生かされており、追加要素もうまく機能しているように思える。

 しかし2018年に入り、モバイル作品でもクオリティの高い、際立った作品は少なからず誕生している。例えば2017年にPC/CS用に配信された『Fortnite』(Epic Games)は、状況によって単調になってしまうバトロワアクションに、素材アイテムを消費して発動する「建築」システムを実装。既にアメリカでは熱狂的な人気を獲得し、アプリ版の初週セールスは日本円して約4憶円を記録した。

 このような「バトルロワイヤル+新たなアイディア」という形式を取る作品は今後もリリースされるだろうが、その場合、良くも悪くも非常にオーソドックスな作りのPUBGがどのようにしてコンテンツの拡充を図り収益を増やすのか。この点はPUBGユーザーのみならず、デベロッパーやパブリッシャーにとっても注目すべき事項だろう。

 加えて『PUBG MOBILE』と『荒野行動』(NetEase)のシェア争いも見逃せない。両作品を提供するPUBG corp.とNetEaseが訴訟問題を抱えており、報道から1ヵ月経った5月現在もその状況は進展していない。そもそも、PUBG corp.がNetEaseを提訴した原因は『荒野行動』がPUBGのゲーム内容に酷似している点にあり、この結果から『PUBG MOBILE』と『荒野行動』間で競争に注目が集まるのは間違いない。

 2017年11月に配信開始の『荒野行動』は主に中高生~大学生の男女を中心とした10代~20代の若年層に人気で、アバターキャラのカスタマイズ要素が大きな特徴。公式運営によるイベントプロモーションも、人気YouTuberとのコラボや女性タレントを起用したバラエティ動画など、エンタメ性に大きく則した方針だ。対する『PUBG MOBILE』も、アップデートにより今後、様々な仕様を追加していくだろう。いちプレイヤーとして見れば、競争が促進され、ゲームの面白さが相乗的に高まっていくのはありがたい。まだバトロワ作品に触れたことがない人も、この機会にプレイを始めてみてはどうだろうか。

■ゲーム概要
タイトル :PUBG MOBILE
ジャンル :バトルロイヤルシューター
対応機種 :iPhone/Android
価格   :基本プレイ無料(アプリ内課金あり)
公式サイト:https://pubgmobile.jp
(c)2018 PUBG Corporation. All Rights Reserved.

■龍田優貴
ゲームの尻を追いかけまわすフリーライター。時代やテクノロジーと共に移り変わるゲームカルチャーに目が無い好事家。『アプリゲット』『財経新聞』などで執筆。
個人的なオールタイムベストゲームは「ファミコン探偵倶楽部」シリーズ。
Twitter:@yuki_365bit

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