夢枕獏『陰陽師』シリーズは伝奇小説であり探偵小説だ 映画でも注目したい安倍晴明&源博雅の“対の関係”
若き日の安倍晴明の活躍を描いた映画『陰陽師0』(監督・佐藤嗣麻子/主演・山﨑賢人)が公開され、あらためていま「陰陽師」という存在…
解読『ジョジョの奇妙な冒険』Vol.3 ツェペリ、リサリサ、ブチャラティ……物語を動かす「メンター」たち
ジョーゼフ・キャンベルの『千の顔をもつ英雄』を読むと、古今東西の英雄譚には、共通する物語のパターン(基底構造)があるということが…
『鬼滅の刃』胡蝶しのぶ、不死川実弥、伊黒小芭内……上司にしたい柱は誰? 社会人適性を徹底考察
※本稿は、『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴/集英社)のネタバレを含みます。同作を未読の方はご注意ください。 いよいよテレビシリーズ…
『東リべ』和久井健「週刊少年ジャンプ」で新連載の衝撃 漫画編集者が語る“大型移籍”の理由と抜群のマッチング
『東京卍リベンジャーズ』の和久井健が4月15日発売の「週刊少年ジャンプ」で新連載『願いのアストラ』をスタートすることが明らかにな…
五十嵐大介『かまくらBAKE猫倶楽部』は奇想に満ちた傑作だ 美しくも恐ろしい綺譚集の魅力
「鎌倉」で、「猫」で、「怪異」と来た。なんとも読書欲がそそられるモチーフの数々だが、それを奇才・五十嵐大介が描くというのだから、…
少年漫画の王道でありながら“型破り”な面白さーー『薩摩転生~世に万葉の丸十字が咲くなり~』レビュー
いささか唐突ではあるが、少年漫画に欠かせないものとはいったいなんだろうか。魅力的なキャラクターか、独創的なヴィジュアルか、あるい…
鳥山明『ドラゴンボール』を改めて読む 古典的な「面白い物語」のパターンをどう取り入れたか
かつてジョージ・ルーカスが『スター・ウォーズ』のストーリーを構想した際、ジョーゼフ・キャンベル(神話学者)が提唱する古今東西の英…
『ドラゴンボール』「フリーザ編」までが“見せ場”なのか 「魔人ブウ編」ラストに見る“鳥山明的”な結晶
“通”な漫画読みの中には、「鳥山明の『DRAGON BALL』が本当に面白いのは『フリーザ編』まで」という人がいる。つまり、…
森泉岳土の本格ミステリ・コミック『佐々々奈々の究明』が面白い 新たな“安楽椅子探偵”の誕生
かの名探偵シャーロック・ホームズとワトスン博士の例を挙げるまでもなく、古今東西、ミステリの名作にはたいてい魅力的なコンビが登場す…
『SLAM DUNK』宮城リョータの原点が明らかに? “日本バスケの革命と言われた男”の立ち向かう姿勢
社会現象的な大ヒットを記録した映画『THE FIRST SLAM DUNK』(原作・脚本・監督/井上雄彦)。 映画の主人公が…
解読『ジョジョの奇妙な冒険』Vol.2 スタンドという“発明”ーー他に類を見ない表現と概念を考察
漫画家・荒木飛呂彦最大の「発明」といえば、それはもちろん、「スタンド」という革新的な超能力表現ということになるだろう。そこで今回…
日野日出志の怪奇漫画、なぜ読者を震撼させるのか 作品集発刊で考える、“視覚表現”より恐ろしいもの
「日野日出志」と聞いて漫画ファンの多くがまず頭に思い浮かべるのは、なんといってもあの、目玉をむき出しにしたおぞましい形相の人々…
ライターが選んだ「2023年コミックBEST3」島田一志編 藤田和日郎の傑作伝記アクション『黒博物館』が完結
2023年に読んだ漫画の中で、個人的に面白いと思ったのは以下の3作であった。 1位『The JOJOLands』 荒…
【追悼】チバユウスケ、著書『EVE OF DESTRUCTION』に遺した言葉「音楽は、音は、ずっと君に残るよ」
この世界には、ロックを歌うためだけに生まれてきたような声の持ち主がいる。2023年11月26日に亡くなったチバユウスケも、そんな…
『幽★遊★白書』は新しい形の「悪」を描いた作品だったーー漫画編集者が実写ドラマ化迫る名作を解説
誤解を恐れずにいわせていただければ、冷戦終結後の1990年代は、「明確な敵」や「明確な悪」が、(少なくとも表面上は)この世から消…
「ボロクソ」で話題、漫画の「持ち込み」は運に左右? 元週刊漫画誌編集者が語るメリットとデメリット
デビューを目指す新人の漫画家が出版社を訪れ、自作の講評を編集者から受ける――いわゆる「持ち込み」が、いま、SNS上で問題視されて…
アニメ版完結目前! 『進撃の巨人』がいまなお多くのファンを魅了し続けている理由を徹底解説
※本稿は、『進撃の巨人』のネタバレを含みます。原作コミックおよびテレビアニメシリーズを未読・未見の方はご注意ください。(筆者) …
一冊の本が人生を変えるーー宮﨑駿『君たちはどう生きるか』は“本の力”を描いた映画だった
※本稿は、映画『君たちはどう生きるか』(宮﨑駿監督)のネタバレを含みます。同作を未見の方はご注意ください。(筆者) あなたは…
激しいパンクの響きには“優しさ”が込められているーーISHIYA『Laugh Til You Die 笑って死ねたら最高さ!』レビュー
かつてTHE BLUE HEARTSの甲本ヒロトは、パンクロックのことを「やさしいから」好きだと歌った(※)。 ※「パンク・ロ…
新連載:解読『ジョジョの奇妙な冒険』 第一回「“ジョジョ”という名の時代を越えたヒーローたちの誕生」
すべては1986年に始まった。その年の12月2日に発売された「週刊少年ジャンプ」1987年1・2号にて、荒木飛呂彦の『ジョジョの…
荒木飛呂彦最新作『ザ・ジョジョランズ』ジョディオ・ジョースターに「黄金の精神」は宿っているか
※本稿は、荒木飛呂彦『The JOJOLands(ザ・ジョジョランズ)』(集英社)のネタバレを含みます。同作を未読の方はご注意く…
”マイナー”精神を失わないままに”メジャー”で活躍する数少ない鬼才、古屋兎丸の自伝的作品「1985年のソドム」
「1985年」は、日本のロック史を語るうえで、それなりに重要な意味を持った1年であったといえるだろう。 たとえば、同年4月2…
中国の歴史・思想・文化と日本のロボットアニメが融合 注目のSF小説『鋼鉄紅女』の面白さ
霊蛹機(れいようき)と呼ばれるその機体(巨大ロボット)を動かす力の源は、男女ペアのパイロットによる陰と陽の“気”の流れである。…
『呪術廻戦』“最強の呪術師”五条悟が「若人の青春」を守ろうとするワケは? 心に刻まれた“2つの後悔”
※本稿は、『呪術廻戦』(芥見下々/集英社)のネタバレを含みます。同作を未読の方はご注意ください。(筆者) 現在、MBS/TB…
『THE FIRST SLAM DUNK』原作との最大の違いは“人生”を描いたことだった 国内の上映終了に寄せて
※本稿は、映画『THE FIRST SLAM DUNK』のネタバレを含みます。同作を未見の方はご注意ください。(筆者) 8月…
旧ソ連の珍品「肋骨レコード」とは? ディスクユニオンのレコード・バイヤーによる解説本が面白い
いささか唐突ではあるが、「肋骨レコード」なるものをご存じだろうか。1940年代から1960年代の旧ソ連で密造された、なんとも怪し…
『鬼滅の刃』刀鍛冶の里編――「兄」と「剣士」の狭間で炭治郎が迫られた“究極の選択”を考える
※本稿は、『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴/集英社)のネタバレを含みます。同作を未読の方はご注意ください。(筆者) 6月18日(日)…
『鬼滅の刃』“痣”を発現させた炭治郎は25歳までに死んだのか? 歴代の「痣者」たちの宿命から考察
※本稿は、『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴/集英社)のネタバレを含みます。同作を未読の方はご注意ください。(筆者) 『鬼滅の刃』には…
映画『岸辺露伴ルーヴルへ行く』原作を補う”改変”が見事 高橋一生が見せた、最も切ない「ヘブンズ・ドアー」の卓越さ
※本稿は、映画『岸辺露伴ルーヴルへ行く』とその原作コミックのネタバレを含みます。両作を未見・未読の方はご注意ください。(筆…