春休み興行、本番突入 勝つのは『わたしの幸せな結婚』か『シン・仮面ライダー』か?

本番突入の春休み興行、勝つ作品は?

 先週末の動員ランキングは、前週1位で初登場した『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』が2週連続で1位。週末3日間の動員は約38万4000人、興収は約4億6800万円。公開から10日間の累計動員は102万5288人、累計興収は12億4899万5240円。同時期の公開作品で他にファミリー向けの作品が少ないことをふまえると、少々伸び悩んでいると言っていいだろう。

 8位に『BTS: Yet To Come in Cinemas』、9位に『RRR』が再浮上していることからもわかるように、先週末は全体的に代わり映えのしないランキング。なにしろ強い新作が全然ない。日本時間3月13日(月)に開催された今年のアカデミー賞の影響が表れるのは今週のウィークデイ以降となるが、それを見込むことができる作品も、事実上『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』と『RRR』の2作品に限られている。

 とはいえ、さすがに春休み興行の本格的スタートということで、今週末には注目作の公開が重なっている。このところ本国における公開本数もすっかり減少傾向にあるハリウッド大作としては、DC作品の『シャザム!~神々の怒り~』。2019年4月に公開された前作『シャザム!』はDCユニバースにおいて独立性の高い作品だったが、今回はあっと驚く展開も仕掛けられている。もっとも、DCユニバース自体がワーナーのお家騒動を経て、ジェームズ・ガンとプロデューサーのピーター・サフランの二人がトップに就任したことで、キャスト陣も含めて完全に刷新されることが決定済み。今後も『ザ・フラッシュ』、『ブルービートル(原題)』、『アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム(原題)』と新作の公開が目白押しだが、いずれもDCユニバースにおいては過渡期の作品ということになる。

 現在は松竹配給の『なのに、千輝くんが甘すぎる。』が動員ランキング(先週末3位)で孤軍奮闘しているティーンムービーのジャンルでは、東宝配給、目黒蓮と今田美桜が共演した『わたしの幸せな結婚』が公開される。こちらは現代を舞台にした恋愛ものではなく、かなりぶっ飛んだ設定の顎木あくみのファンタジー小説が原作となっている作品なのだが、それをTVドラマ界において突出した演出力を見せてきた監督の塚原あゆ子がどのような手際で映像化しているかが見もの。個人的には予想以上の仕上がりで、続編の製作にも期待を寄せたい。

 そして、庵野秀明ファンダムの動員による初速は間違いないものの、その後の展開がまったく読めないのが東映配給の『シン・仮面ライダー』だ。週末の座席数の多さからも興行サイドからの期待値の高さがうかがえるが、今年から動員ランキングがオープニング3日の成績で発表されるようになったにもかかわらず、本日3月17日(金)18時からの世界最速公開という変則的なスケジュールが組まれている。それでも、おそらく順当にいけば今週末1位は堅そうだが、果たして番狂わせはあるだろうか?

■公開情報
『わたしの幸せな結婚』
全国公開中
出演:目黒蓮(Snow Man)、今田美桜、渡邊圭祐、大西流星(なにわ男子)、前田旺志郎、髙石あかり、小越勇輝、佐藤新(IMPACTors/ジャニーズJr.)西垣匠、松島庄汰、髙橋大翔、珠城りょう、小林涼子、浜田学、山本未來、山口紗弥加、平山祐介、高橋努、津田健次郎、尾上右近、火野正平、石橋蓮司
監督:塚原あゆ子
脚本:菅野友恵
原作:顎木あくみ『わたしの幸せな結婚』(富士見L文庫/KADOKAWA)
※コミカライズ:原作・顎木あくみ/漫画・高坂りと/キャラクター原案・月岡月穂(ガンガンONLINEにて連載中/スクウェア・エニックス)
制作プロダクション:TBSスパークル
配給:東宝
製作委員会: KADOKAWA、東宝、TBSほか
©︎2023映画『わたしの幸せな結婚』製作委員会
公式サイト:https://watakon-movie.jp
公式Twitter:@watakon_movie
公式Instagram:@watakon_movie

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