『どうする家康』松本潤の喜怒哀楽が爆発! 初回からタイトルどおりの急展開

『どうする家康』松本潤の喜怒哀楽が爆発

 2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』最終回でも登場した家康の物語がいよいよ始まる。NHK大河ドラマ『どうする家康』は、日本各地が血で血を洗う戦乱の時代に、強国に囲まれた三河(現在の愛知県東部)に生まれた松平元康(次郎三郎元信)、のちの徳川家康が、個性派ぞろいの家臣たちに見守られながら、名将として覚醒していく姿を描く。

 1月8日に放送された記念すべき第1回「どうする桶狭間」では、今川義元(野村萬斎)のもとで人質ながらも楽しい生活を送っていた元康(松本潤)が、「桶狭間の戦い」によって「どうする?」展開に直面する。

 第1回では、主演を務める松本潤が元康の10代前半の少年期から青年期までを演じている。幅広い年齢層を演じている松本だが違和感はなく、むしろ少年期の無邪気さとヘタレっぷりは魅力的に感じられた。

 元康はつらく苦しい人質生活を送っている……はずだったが、実際には木彫りの玩具を並べて楽しそうに遊んでいる。だが側近の石川数正(松重豊)がやってくると、バツが悪そうにソワソワし始める。義元の嫡男・氏真(溝端淳平)との手合わせが憂鬱なのだ。

 元康は厠へ逃げようとするも叶わず、手合わせでは一方的にやられるばかり。その一方で、雑木林の中で1人ごっこ遊びをしたり、喜々として瀬名(有村架純)と遊んだりする姿はとびきりイキイキとしていて愛らしく、そんな彼の姿からのんきな性分が伝わってくる。

 まだ幼さの残る元康は感情が素直に表れる。父の法要のため三河へ戻った元康だが、きらびやかな駿府城とはほど遠い岡崎城を見て「駿府とえらい違いじゃ……」と落胆。幼少期に国元を離れた元康には家臣の顔に馴染みがなく、元康の帰りを喜ぶ三河の家臣たちに元康は一歩引いてしまう。“えびすくいの舞”で和気あいあいとした空気の中、「こりゃ、何が面白いんじゃ……」と呟く姿は、家臣たちとの距離感もあってか少しさびしくも映る。けれど、数正が語気鋭く迫るように、元康は三河の当主であり、元康もまた憂鬱ではありながらも、背負いたくない重荷を背負い、歩みたくない道を歩む覚悟を持つことになる。

 とはいえ、第1回で描かれたのは元康のヘタレな部分ばかりではない。瀬名をめぐる氏真との手合わせでは、防戦一方だった元康が奇妙な絞め技で氏真の首を締め上げ、勝利する。義元からは、これまで氏真の面目を慮ってわざと負けていたことは「相手に対するこの上ない侮辱である」と叱責されたものの、勝負を決めに行く際の顔つきはとても勇ましく、精悍だった。

 また瀬名と夫婦になった元康の横顔からは、ふいに一家の主らしい意気がうかがえる。桶狭間合戦の時を迎え、元康と瀬名は「尾張と戦と聞いた時は、もう生きた心地が……」「わしもじゃ。もう怖くて、怖くて」と正直な思いを打ち明け合う。ごっこ遊びに興じていた頃と変わらない2人の素直なやりとりはかわいらしい。そんな中、瀬名がふと不安げな表情を浮かべると、元康は子を宿している瀬名のお腹にそっとふれながら「この子が生まれてくる頃には帰ってこられよう」と優しく声をかける。瀬名を見つめる横顔には、家族を守りたいという強い意志が表れていた。

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