広瀬すずにとって『ネメシス』が転機だった理由 橋本環奈との共演は衝撃的だった

広瀬すずは『ネメシス』が転機だった

 2021年に放送された広瀬すずと櫻井翔のW主演ドラマ『ネメシス』(日本テレビ系)の劇場版『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』が2023年3月に公開される。それを記念し、『広瀬すず&櫻井翔とほっこり過ごすお正月SP 3夜連続『ネメシス』上映会』(日本テレビ系)が元日から3夜連続で放送。そこで、今作における広瀬すずの演技の魅力について振り返ってみたい。

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 ドラマ『ネメシス』は、入江悠監督が手掛ける完全オリジナル脚本の連続ドラマだ。物語は、天才的なひらめきで事件の真相を見破る探偵助手の美神アンナ(広瀬すず)と、ポンコツだが人望に厚い自称天才探偵の風真尚希(櫻井翔)が、お互いを助けながら、横浜でベテラン探偵・栗田一秋(江口洋介)がCEOを務める探偵事務所「ネメシス」に集まる様々な依頼に挑んでいく。1話完結型で事件を解決していく中で、失踪したアンナの父・始(仲村トオル)の行方とアンナの出生の秘密の真相を究明する。

 広瀬すずにとっては、2019年の連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合)以来の連続ドラマ主演作だ。10代の頃は清純派の少女役を数多く演じ、映画『ちはやふる』シリーズの明るい熱血少女や、ドラマ『anone』(日本テレビ系)の心に闇を抱えた少女など、思春期の繊細な心の葛藤を丁寧に演じ分けていたのが印象的だ。広瀬が演じた役柄に一貫しているのは、複雑な感情を抱きながらも、ひたむきに強く生きる女性像。それでいて彼女のやさしい声が、どんな役柄であってもピュアで、根は優しい印象を受けるところが、広瀬が持っているヒロイン性だろう。

 『なつぞら』でも、戦災孤児として柴田家に引き取られ、高校卒業後にアニメーターを目指し上京、母親になるまでの物語で、誰からも愛される健気なヒロイン・なつを魅力的に演じた。それ以降は、コメディから時代劇まで、20代の女優として何ができるのか、暗中模索しながら様々な役に挑戦している印象だった。その中で『ネメシス』と出会い、これまでにないコミカルな役柄に挑戦、国民的女優となった広瀬の次なるステップとなった。

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 広瀬が演じる美神アンナは、事件を推理する際に別の世界に「入る」ことで集中する特殊能力を持つ。身体能力に優れ、インドの武術であるカラリパヤットの使い手。幼いころに母親を亡くし、失踪した父・始の親友である栗田を頼って来日する。

 本作で話題となったのが、普段の黒髪ストレートの髪型ではなくボブパーマだった広瀬のビジュアルだ。これまで築いたイメージを見た目から崩し、元々あった少年っぽさが強調され、かっこよくて自由な人という雰囲気だった。ただ、それがオシャレでかわいらしくもあり、気品な雰囲気でポンコツの風真との凸凹具合をビジュアルでまず強調していた。見た目だけなら、ドラマ『相棒』(テレビ朝日系)の右京と亀山みたいなものだ。

 そして、よく走り、表情豊かで、無邪気だ。広瀬の素顔はこういう性格か、と思わせるほどの自然な演技が見られる。またこれまで自分を犠牲にしてまでも仲間のために頑張る役が多かっただけに、助手の方がキレキレに推理していき、思いっきり相方を引っ張っていく役というのも面白い。終盤になるとアンナの過去が分かることで、広瀬のパブリックイメージともいえる、複雑な感情を抱きながらもひたむきに強く生きる女性の演技を見せてくれいた。

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