ジョニー・トーら7人の香港の映画監督が参加 オムニバス映画『七人樂隊』10月7日公開へ

 第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクションに選出された香港映画『七人樂隊』が、10月7日より新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開されることが決定した。

『七人樂隊』

 本作は、ジョニー・トー監督のプロデュースで、現在香港で活躍する7人の監督が集まり、1950年代から未来まで、担当する年代をクジで選び撮影されたオムニバス映画。フィルム時代に敬意を表し、全編35mmフィルムで撮影された。

 ジョニー・トー監督は「タイトルの『七人樂隊』には、スタイルと才能の異なる監督たちが組むことで、優れた演奏者の共演のように、共鳴し妙なる調べを奏でることができるとの意味が込められている」と話し、「『七人樂隊』は全編をフィルムで撮影し、フィルム撮影の年代へ敬意を表した映画である。7人の監督が協力し、この世代の香港の監督の団結精神を見せることで、若い世代の映画人を啓発し励ましたい、とも願っている」と、創作のコンセプトを語った。

 七つの作品は、『燃えよデブゴン』シリーズで一世を風靡したカンフーマスター、サモ・ハン監督が、まだ貧しかった50年代、必死にカンフーの稽古に励んだ幼い自分と仲間を描く自伝的エピソード「稽古」や、女性監督として世界で初めてヴェネチア国際映画祭生涯功労賞の金獅子賞を受賞した、『桃さんのしあわせ』(2011年)のアン・ホイ監督が、教育に生涯を捧げる校長先生を慕う、同僚の女性教師とかつての教え子たちを描いた「校長先生」。

 また、ウォン・カーウァイ監督『欲望の翼』(1990年)『楽園の疵』(1994年)の編集で香港電影金像賞の最優秀編集賞を2回受賞したパトリック・タム監督が、移住を控えた恋人たちの別れをスタイリッシュな映像で描く「別れの夜」、『グリーン・デスティニー』(2000年)、『マトリックス』(1999年)のアクション監督としても世界的に知られるユエン・ウーピン監督が、香港を離れる孫と香港に残る祖父のユーモラスで温かな交流を描く「回帰」、『エレクション』(2005年)がカンヌ国際映画祭コンペ部門、『奪命金』(2011年)がヴェネチア国際映画祭コンペ部門に出品され、プロデュース作品も多いジョニー・トー監督が、香港の“茶餐廳”で、大儲けを夢見る一般市民が株価に右往左往するさまを描く「ぼろ儲け」。

 そして、『友よ風の彼方に』(1986年)がクエンティン・タランティーノ監督の『レザボア・ドッグス』(1992年)に影響を与えたと言われるリンゴ・ラム監督が、香港の変わりように翻弄される男を主人公にした、遺作の「道に迷う」、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズを手がけ、ワイヤー・アクションやSFX面の革新者でもあるツイ・ハ―ク監督が、病棟を舞台にたたみかける台詞で魅了する「深い会話」。これら7エピソードのオムニバスとなっている。

 あわせて公開された日本版ポスターは、イノセントな白を背景に、7本のエピソードのスチールが使用されている。

■公開情報
『七人樂隊』
10月7日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
監督:サモ・ハン、アン・ホイ、パトリック・タム、ユエン・ウーピン、ジョニー・トー、リンゴ・ラム、ツイ・ハーク
プロデューサー:ジョニー・トー、エレイン・チュー
出演:ティミー・ハン、フランシス・ン、ジェニファー・ユー、ユン・ワー、ン・ウィンシー、サイモン・ヤム、チョン・タッミン、ラム・シュ
配給:武蔵野エンタテインメント
2021年/香港/広東語/111分/ビスタ/5.1ch/原題:七人樂隊/英題:Septet: The Story of Hong Kong/日本語字幕:鈴木真理子
(c)2021 Media Asia Film Production Limited All Rights Reserved
公式サイト:septet-movie.musashino-k.jp
公式Twitter:@septet_movie

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