迫田孝也、小劇場からテレビへ 『マイファミリー』『俺かわ』『鎌倉殿』で激的な変化

迫田孝也、小劇場からテレビへの刺激的な変化

 TBS系日曜劇場『マイファミリー』で捜査一課の管理官役を務めている俳優の迫田孝也。『99.9-刑事専門弁護士- SEASON II』、『天国と地獄〜サイコな2人〜』、『ドラゴン桜』と日曜劇場の常連俳優であり、2021年10月から2クールで放送された『真犯人フラグ』(日本テレビ系)、そして現在放送中の『俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?』(テレビ朝日系)、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合)と出演作が絶えず、引っ張りだこで大活躍中だ。

 今回、劇団時代から今にかけての芝居に対する思いの変化や、共演する若手俳優たちから受ける刺激について、語ってくれた。(編集部)

どうやったら上司に見えるのか、悩み

――日下部七彦をどのような人物と捉えていますか?

迫田孝也(以下、迫田):誘拐事件の陣頭指揮を執る管理官なので、ある程度、出世コースの中でいいところにいるとは思います。でも、ちょっと出遅れて焦りがあるという設定なので、少し前のめりなところも見せながら、玉木(宏)さん演じる葛城との対比で警察内部の人間模様みたいなものが表現できればいいかなと思っています。一方で誘拐事件に対しては、真正面に誠実に解決に向けて尽力する、というところはブレないように意識して演じています。

――性格面についてはいかがですか?

迫田:日下部は、よく物を食べてるんですよ。ガムを噛んだり、飴を舐めたり。管理官として本当は一番しっかりしなきゃいけないけれど、緊迫したシーンが多い中で、少し気持ちを緩められるキャラクターという役割もあるのかなと。ほんわかしていて、ちょっと抜けている。『マイファミリー』の中では、貴重な存在だと自分では言っています(笑)。

――これまでの撮影で印象的だったシーンを教えてください。

迫田:指揮官車はセットなんですけど、その中で朝から晩までひとりで撮影するので、ちょっとどうかしちゃいますよね(笑)。指示を送っているシーンが多いので、“ずーっと滑舌よく言葉を発してる1日”というのが、『マイファミリー』の撮影に関する記憶でございます。でも、本部に帰ると「俺は管理官なんだな」と認識できます。みんなが「はい!」とか言ってくれるから、あっちの方が好きですね。あのシーンは気持ちいいです。

――捜査一課メンバーの印象は?

迫田:真面目な物語なので、ヒリヒリするわけですよ。でも、吉乃一課長を演じていらっしゃるのは富澤(たけし)さんだから、なんか油断ならないんですよね。「いつかこの人ボケてくるんじゃないか」というドキドキ感は毎回あります。

――視聴者の中にも、ドキドキしている方が多そうですよね(笑)。玉木さんはいかがですか?

迫田:玉木さんも油断ならないんですよ。みなさんお気づきだと思いますけれども、玉木さん、すげぇかっこいいじゃないですか。貫禄があって、一言喋るたびに重低音ボイスを利かせてくる。かたや、ちょっとご飯食べたり、ちょっと嫌らしさを見せたり……そんな上司がどうやったら立場的に上に見えるのか。気を抜くと管理官としての日下部が成り立たなくなってしまうので、そこが悩みではありますね。

――撮影の合間に、玉木さんとはどんなお話を?

迫田:今回初めて共演させていただくんですけれども、本当に気さくな方です。山田キヌヲさんもわりと年代が近いので、昔話をしたり、和気あいあいとお喋りしています。

若手俳優たちへの興味

――梅木役の那須(雄登)さんともお話しされますか?

迫田:那須さんに関しては、逆に僕の方が興味を持っちゃうんですよね。役者としての経験はまだ少ない中で、「この役をどう考えてるの?」とか「どう演じてるの?」とか、よく聞いています。僕は自分が役者を始めた頃のことを忘れちゃってるので、改めて那須さんに話を聞いて「ああ、そうかそうか」と共感できるところもありますね。

――初心を思い出すわけですね。『俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?』の制作発表会見のときにも、なにわ男子の大橋和也さんから学ぶことがある、といったお話をされていました。

迫田:そうそう! なんなんですかね。大橋くんも那須くんも、最初に向こうから話しかけてくれたけど、これって結構難しいというか、僕だったらかなり覚悟を決めないとなかなか年上の方に話しかけることはできないと思うんですよ。それなのに、スッと入ってきて自然と会話できる流れを作ってくれて。すごく感心しました。

――ふだんから若手の方から学ぶことを意識されているというより、今期で特に感じていらっしゃると。

迫田:このシーズンは特にそうですね。今までは自分より年上の人たちの中でお芝居をしてきた感覚だったんですけど、最近は自分が歳をとって中堅といえるような位置に来て、ふと周りを見たら20代の若い俳優さんたちがいっぱいいて。さあ、僕はこの中でどう居ればいいんだろう、とちょっと戸惑ってるときに向こうから話しかけてくれたので、ありがたかったですね。

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