『不可殺』第4話で物語が本格的にスタート 新たなプルガサル登場、サンウンは守る存在に

『不可殺』第4話で物語が本格的にスタート

 不老不死の不可殺(以下、プルガサル)にされてしまったタン・ファル(イ・ジヌク)が、呪いを解くためにミン・サンウン(クォン・ナラ)を追い続けるNetflix配信中の韓国ドラマ『不可殺 ー永遠を生きる者ー』。

 今回もファルとサンウンの関係性に疑問点が浮かび上がった。鬼物はサンウンの魂の匂いがわかることに対し、ファルは匂いを感じることができない。それ故に絵や写真を頼りにするしかなく、これまで鬼物の転生に何度も先を越されてきた。サンウンは鬼物のことは察知できるが、ファルの気配には気づくことはできない。ただ魂を奪った者と奪われた者ではなく、これもまた因縁があることを示しているようである。

 そして、ついにサンウンを見つけ出して再会したファルだが、またしてもその場で決着をつけることができなかった。その理由は、ファルの妻でありグクの娘であるタン・ソル(コン・スンヨン)が転生した、サンウンの妹シホが現れたからだ。これにより、ファルはサンウンから魂を奪い返すことに躊躇してしまうだろう。シホの唯一の家族を奪えば、ファルは現世でもソルを不幸にしてしまうのだから。

 今後の展開を大きく変えることになった第4話で、物語が本格的にスタートすることになる。特に注目すべき登場人物は、「黒い穴」と呼ばれるオク・ウルテ(イ・ジュン)。彼はファルと同じプルガサルで、1000年も前からサンウンを追い続けている。ここで、同じプルガサルでも違いがあるファルとウルテについて整理したい。

 まずファルは自分の魂を取り返そうとしているが、ウルテはサンウンの魂を消滅させようとしており、二人が言う“サンウンへの貸し”の内容が異なっているようだ。ウルテがサンウンに剣で刺されたことによって胸にできた「黒い穴」の傷は、苦痛を与え続ける呪いとなっている。サンウンがそれだけの呪いをかけてウルテをプルガサルにしたのは、深い理由がありそうだ。

 次に、動物の血だけを吸ってきたファルに比べて人間の血を吸ってきたウルテの持つ力は圧倒的に強く、回復力が早い。さらに、一番の違いは“人間性”があるかどうかだ。プルガサルになっても人間の心を持ち続けているファルは、15年前に見つけた幼いサンウンにとどめを刺すことができなかった。それに、サンウンと鬼物以外の人に手を出さないのは、大切な人を失う辛さを何百年も背負ってきたファルに関係のない人たちを傷つけることはできないからだろう。ファルの復讐は、あくまでもサンウンから魂を取り返しプルガサルを封印して人間として死ぬことなのだ。一方のウルテは、サンウンの双子の姉サンミンと母親を容赦なく殺してサンミンの前世の両親までも始末していた。その残忍な行動は、本当に人間であったかどうかさえも疑わしい。

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