ジュノ、ソ・イングク、ソン・ジュンギ 韓国ドラマ界を牽引する俳優たち【30代編】

ジュノら2022年期待の30代韓国俳優

 『ヴィンチェンツォ』、『賢い医師生活』、『イカゲーム』、さらには『恋慕』など数々のヒット作が誕生し、2021年も日本のみならず世界中で更なる勢いを持って人気を博した韓国ドラマ。緻密な脚本と卓越した演出力はもちろんだが、高い演技力と華やかなビジュアルを誇る俳優たちも、劇に没入させる大きな要素だろう。本記事では、昨年に引き続き2022年も韓国ドラマ界を引っ張っていくだろう俳優3人を、おすすめの出演作とともに紹介したい。【30代編】

ジュノ(2PM)

『袖先赤いクットン』(MBC公式サイトより)

 現在韓国で放送中の史劇『袖先赤いクットン』で、本国を席巻しているジュノ。除隊後復帰作となった本作は、何度も映像化されてきた第22代王イ・サンと女官の切ない愛を描く歴史ロマンスで、『恋慕』や『ホンチョンギ』など史劇ラッシュとなった2021年下半期の作品群の中でも一際光っている。2022年4月より日本初放送され、きっと大きな話題となるだろう。

『ただ愛する仲』

 そんな“演技ドル”という肩書きに留まらない演技力を披露しているのが、12年前に発生したショッピングモールでの事故で、奇跡的に救出され生き残った2人の男女が、互いに心を癒していくヒーリングラブストーリー『ただ愛する仲』。人は悲劇に見舞われた時、どのように立ち上がり、どのように心を癒していくのか、『応答せよ』シリーズや『賢い医師生活』のように、どこにでもいる普通の人達の心を繊細に丁寧に描いた感動作だ。ジュノは、事故で夢と家族を失い、ただ苦痛に耐える毎日を生きてきた孤独な青年ガンドゥを熱演。無気力だったガンドゥが、同じ傷を抱える女性と出会い、愛を知り変わっていく。彼は危険なオーラを放ち、空虚な目つきでカンドゥの人生を繊細に表現した。

『キム課長とソ理事 ~Bravo! Your Life~』

 彼の作品でもう1作、外せないのが『キム課長とソ理事 ~Bravo! Your Life~』。詐欺師まがいの手口でピンハネし小金を稼いでいた会計士が、大金を稼ぐべく大企業の経理課長“キム課長”となり、入社をきっかけにある不正に気づいたことで、“正義”に目覚め、社会の不条理と戦っていく痛快オフィスコメディ。『ヴィンチェンツォ』の脚本家パク・ジェボムが手がけた作品でもあり、『ヴィンチェンツォ』ロスも必見だ。ジュノは、グループ会長の右腕である財務取締役として、主人公のキム課長と対立を成すライバルであり、悪役であるソ理事を演じた。悪役といえど、深刻な状況でも笑いのポイントを織り混ぜ、人間的な魅力により「憎みきれない悪役」を演出している。

ソ・イングク

『ある日、私の家の玄関に滅亡が入ってきた』(tvN公式サイトより)

 ドラマ『ある日、私の家の玄関に滅亡が入ってきた』、『ショッピング王ルイ』をはじめ、映画『パイプライン』、『オオカミ狩り』などジャンルの境界を行き来して常に新しいキャラクターを創造してきたソ・イングク。2021年は日本でも人気を博した『ナビレラ-それでも蝶は舞う-』にも特別出演。2022年は、男の巫になった元プロファイラーが繰り広げるミステリーコミカル捜査劇『美男堂-事件手帳』に出演が決定しており、原作がKakaoPageで連載され、15万もの読者を集めた大ヒット小説を原作にしているだけに、さらなるブレイクとなりそうだ。

『空から降る一億の星』

 愛を知らず、まるでゲームのように他人の心をもてあそぶキム・ムヨン(ソ・イングク)が、ユ・ジンガン(チョン・ソミン)と出会い、数奇な運命に翻弄されていく珠玉のラブストーリー『空から降る一億の星』。北川悦吏子脚本、明石家さんまと木村拓哉のダブル主演の同名日本ドラマの韓国リメイク作品だ。切ないラブストーリーはもちろんだが、甘えたかと思えば、突然冷たい態度を取るというイングク演じる魔性の男キム・ムヨンが、本作の大きな魅力の一つ。劇中、「ムヨンさんにハマった女は絶対に抜け出せない」というセリフが登場するが、まさにこの作品は彼のミステリアスな魅力に骨抜きになる作品だ。

『元カレは天才詐欺師〜38師機動隊』

 邦題からラブコメを連想する人も多いだろうが、本作は『ヴィンチェンツォ』のように「悪を悪で成敗する」スカッとするサイダードラマ。イングク演じる詐欺師とマ・ドンソク演じる税金徴収課の職員ら愉快すぎる仲間たちが協力して、税金を払わない悪徳金持ちたちを次々とぎゃふんと言わす痛快なストーリーを展開する。本来悪であるはずの詐欺師が世のために詐欺を働くという、裏の裏をついてくるストーリーが斬新だ。詐欺の手口が実際あった事件を題材にしているため、巧妙で練りに練られていて、観ているこちらまで完全に騙されてしまう。最大の見どころは、自由自在に変身演技を繰り返したイングクの詐欺師っぷり。チンピラから市の職員、胡散臭い社長までとにかく多彩で、彼の表現力の幅広さとその凄みを実感せずにはいられない。

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