『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ヴィランたちの発言と挙動に謎? 新予告を考察

『スパイダーマン』最新予告編を徹底考察

 日本時間の11月17日午前10時30分、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の最新予告編が全世界同時解禁となりました。アメリカ西海岸時間は11月16日午後5時なのですが、もともとこの時間にロサンゼルスの映画館にファンを呼んで予告編のお披露目イベントをする、と伝えられていました。結果的にイベント限定ではなくオンラインでもお披露目する、という形になったようです。

 前回の予告編と今回の予告編を比べ、わかってきたことがあります。前回の予告編では以下のような内容が語られていました。すなわち、スパイダーマンことピーター・パーカーが、世界の人々から“自分がスパイダーマンである”という記憶を消してほしいとドクター・ストレンジに頼む。そしてストレンジが魔法をかけた結果、予期せぬマルチバース現象が起こってしまう。

 今回の予告編も基本的にはこのあらすじにのっとっているのですが、僕はピーターが元の世界から飛び出てマルチバースを彷徨うみたいな展開になるかと思ってました。しかし今回の予告では別の次元から様々なヴィランたちがピーターのいる世界に集結する、というお話らしい。つまり“ピーターが別次元に行く”のではなく“ピーターの敵たちが別次元から来る”わけですね。

 さて今回この予告で確認されたヴィランたちは登場順に、『スパイダーマン2』(2004年)に登場のドック・オク、『アメイジング・スパイダーマン2』(2014年)に登場したエレクトロ、『スパイダーマン』(2002年)に登場したグリーンゴブリン、『スパイダーマン3』(2007年)に登場したサンドマン、『アメイジング・スパイダーマン』(2012年)に登場したリザードです。本当にマルチバースですね(笑)。

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』予告3 1月7日(金)全国の映画館で公開!  #全ての運命が集結する ──

 では、この予告編の気になるところをみていきましょう(以下、日本版公式予告編のタイムにあわせています)。

・49秒目:ドック・オクの人工アームの色にご注目ください。赤と金です。これはアイアンマン(ないしアイアン・スパイダー)のカラリング。ということはこの人工アームはスターク・インダストリーズ製? ないしスタークの技術が至る所で悪用されている状況になっている? 後者の場合だと、今度作られるMCUドラマ『アーマー・ウォーズ』がまさにそういう世界でのウォーマシーンの活躍を描くハズなので、そこへの布石?

・52秒目:ここでのドック・オクのセリフに注目。日本語字幕では「お前は誰だ?」になっていますが、原語では「お前はピーター・パーカーじゃないな」。これは結構重要。というのも、このドック・オクにとってのスパイダーマンことピーターは、トビー・マグワイアの顔をしてるということです。別のユニバースにはちゃんとトビー・マグワイア版のピーターがいるというわけですね。

・56秒目:ドック・オクとピーターたちの会話。なんか楽しい。このシーンだけ見ると最終的にドック・オクはピーターたちに協力するんでしょうか? なお、ここでの会話はドック・オクの本名、Dr.オットー・オクタビアスにちなんだネタになっています。『スパイダーマン2』では怪人化したDr.オットー・オクタビアスにヴィラン名をつけようとジェイムソン編集長が部下とやりとりするシーンがあります。そしてドック・オクとネーミングされるわけですが、その時のネーミング候補に“ドクター・ストレンジ”の名があがるんです。そう、ドック・オクとドクター・ストレンジは奇妙な縁があるんですよね。実際、次のドクター・ストレンジの映画の監督サム・ライミは『スパイダーマン2』も監督していますから。

・1分5秒目:自由の女神ですが、この世界の自由の女神はなんとキャプテン・アメリカの盾を持ったバージョンになっていることがわかります!

・1分11秒目:細かな話ですが、ドクター・ストレンジが「別バースからやってきたヴィランたちを元のユニバースに戻さねば! 君たちも手伝え」とMJたちに言うシーンで「SCOOBY-DOO THIS CRAP」と言ってるんです。“SCOOBY-DOO”とは日本では『弱虫クルッパー』というタイトルで放送されたこともあるミステリーコメディアニメ。若者と犬が怪事件を解決するというあらすじで、実写映画化もされジェームズ・ガン監督が脚本も書いていました。MJたちをこのアニメの主人公になぞらえたのでしょう。ワーナーのアニメなのでバットマンやDCヒーローと共演することもありました。『エターナルズ』といい最近のMCU、DCネタが多い(笑)。

・1分26秒目:J・K・シモンズ演じる、デイリー・ビーグルの編集長ジェイムソンです。

・1分54秒目:エレクトロです。実は今度の予告編の中で僕が一番うれしかったのはここ。原作コミックのエレクトロは放電・電撃(スパーク)をイメージしたマスクを被ってるんです。しかし映画版のエレクトロはマスクなしでした。この予告編では放電が彼の頭を覆い、コミック版のマスクを被ったようなルックスになっているんです。こういうエレクトロが見たかった!

・2分3秒目:グリーン・ゴブリン登場です。改めてこのデザインすばらしいと思いました!

・2分4秒目:グリーン・ゴブリンですが、マスクしていません。これってもしかしてウィレム・デフォー版ではなく、まさかジェームズ・フランコ(『スパイダーマン3』)、それともデイン・デハーン(『アメイジング・スパイダーマン2』)のゴブリン!?

・2分10秒目:これまた胸アツ! エレクトロ、サンドマン、リザードです!!

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