佐久間由衣が『最愛』で学び直す「役者としての基礎」 “桑子の夢オチ”案も浮上?

佐久間由衣が『最愛』で学び直す「基礎」

 謎が謎を呼ぶ展開で、オンエアのたびに視聴者の考察熱が高まっている金曜ドラマ『最愛』(TBS系)。若き社長の真田梨央(吉高由里子)を取り巻く現在と15年前の殺人事件。その捜査を担当することになったのは、刑事となった梨央の初恋の人・宮崎大輝(松下洸平)だった。そこに梨央をなんとしても守ろうと奔走する敏腕弁護士の加瀬賢一郎(井浦新)との、もどかしい三角関係も丁寧に描かれる。

 11月5日に第4話の放送を控える中、大輝とバディを組む女性刑事・桑田(愛称:桑子)役を演じる佐久間由衣がインタビューに応じてくれた。シリアスなシーンの多いドラマではあるものの撮影現場の雰囲気はとても明るく、佐久間も真犯人の推理を楽しんでいるとのこと。さらに「みなさんに必死についていっていろいろ学びたい」「監督からは俳優の基礎を教わった」と、女優として大事な作品になっているという想いもたっぷりと語ってくれた。

『かのきれ』メンバーからの応援

――今回オファーを受けたときの気持ちはいかがでしたか?

佐久間由衣(以下、佐久間):純粋に、すごくうれしかったです。新井順子プロデューサーと塚原あゆ子監督のこれまでの作品も見させていただいていたので、とても信じられないという感じでした。ただ、私自身はサスペンスとかミステリーの作品を読み解くのにすごく時間がかかってしまうので、一生懸命置いていかれないようにしなきゃと思いました(笑)。

――本作の台本を読まれたとき、どのように感じられましたか?

佐久間:15年前の過去パートのシーンがとても素敵で、胸が締め付けられるような感覚もあって。これがどんな映像になってできあがるんだろうって、とても楽しみになりました。実際に第1話を観てみたら、想像をはるかに超えたものに仕上がっていて感動しました。サスペンス要素もありつつ、ラブストーリーになる瞬間があって、両方を楽しめるのが他にはない面白さだなといち視聴者としても楽しませてもらっています。

――新井プロデューサーにインタビューをした際、サスペンスと同時に「大輝派か加瀬派かで盛り上がってほしい」ともおっしゃっていました。佐久間さんはどっち派になりそうですか?

佐久間:うわー、加瀬さんのチャーミングなところも大好きなんですけど、桑子としては宮崎さんの後輩でもあるし……えっと、両方ですね(笑)第2話の終わりに車で追われた梨央さんを引っ張る大輝のシーンがとても素敵でしたし。大輝の不器用だけどまっすぐな男らしさがすごく魅力的だなと思いました。でも、加瀬さんの包容力があって、見守るような優しさもたまらないですし……やっぱり選べないですね!

――どちらもいいタイミングでいいところを出してきますからね。

佐久間:そうなんですよ(笑)。

――前クール『彼女はキレイだった』(カンテレ・フジテレビ系、以下『かのきれ』)に続けてのドラマ出演となりますね。

佐久間:『かのきれ』では同世代の人たちのプロ意識の高さを感じて。同世代だからこそ刺激し合って、切磋琢磨して頑張っていこうという気持ちだったんですけど、今回は先輩たちに必死についていって、いろいろ学びたいなという気持ちで現場にいる感じです。それぞれのアイデアを出しながらディスカッションされている時間がすごく多いので、常に耳をダンボにして聞き逃さないようにしています。『かのきれ』で共演した中島健人さん、小芝風花さん、赤楚衛二さんたちが『最愛』を見てくれていて、いつも感想を送ってくれるので、さらに頑張ろうと思っています。

「吉高さんのミステリアスさに鳥肌が立ちます」

――主人公の梨央を演じる吉高さんは、現場ではどのような印象ですか?

佐久間:吉高さんは、現場では本当に太陽みたいです。私はカレーが好きなんですけど、おすすめのカレー屋さんを教えていただいて。昨日ちょうど「食べに行きました」と話したところです(笑)。いつも明るくて、大きな声で笑っていらして、すごく周りのみなさんを照らしてくれる明るさを持っていらっしゃるんです。なのに、真田梨央というキャラクターになったときに、鳥肌が立つというか。お芝居中なのに、そのミステリアスさに見入ってしまうような瞬間が何度もあって。切り替えが本当にすごいなと。こんな言葉しか出ないんですが、すごいなといつも思って見ています。

――桑子という役柄について、新井プロデューサーや塚原監督からどのような説明がありましたか?

佐久間:「ドラマで女性刑事と言ったら、こういうイメージみたいなものがあると思うんだけど、そういうものに縛られずに自由にやってほしい」と言っていただきました。なので、今回演じる桑子は女性刑事だからといって、向上心むき出しで男前なわけでもなく、逆にナヨナヨしているわけでもなく、中性的な存在にしたくて。決まったイメージに寄せていくというよりも、自分がもし刑事として存在していたら、どういうことに興味があって、疑問を抱くのかなっていうことを落とし込んで考えていくようにしています。現場でバディを組む松下さんや、山尾係長役の津田健次郎さんとの関係性の中で生まれてくるものも大切にしながら演じさせてもらっています。

――桑子は若い警察官から頼りにされている一面も持っていると思うのですが、佐久間さんご自身は実生活でどのようなタイプですか?

佐久間:どちらかといえば心配される側ですね(笑)。私は3人姉弟で下に妹と弟がいるんですけど、長女なのに家族からも心配されて育ったというか。友だちもしっかりしたタイプが多くて。何かとくよくよしがちなので、いつも背中を押してもらっている感じです。なので、桑子も頼りにされているなかにも、ちょっと抜けているところがあるような人間らしいキャラクターになったらいいなと思っています。

――ヒリヒリとした展開が続く本作において、山尾係長と桑子はホッとできる存在ですよね。

佐久間:そうですね。私もこの作品の中で唯一ほっこりできるような役割だというお話を聞きました。だから、後半にかけてどんどんシリアスになっていくと思うんですが、自由度を失わず桑子なりに事件に関わっていくようにはしたいなと思っています……。でもちょっとこの先はどうなるかわからないですけど! オリジナル作品ですし、いきなり殺されたりとかしたらどうしよう(笑)。

――(笑)。でも、キャストのみなさんも先が読めないところはオリジナル脚本ならではですよね。

佐久間:本当に。毎回台本をいただくとき怖いんです(笑)。でも、そのゴールが見えないからこそ頭で決めつけすぎずに、その瞬間を一生懸命生きていけるというのが楽しい部分だなと思います。監督さんやプロデューサーさん、俳優陣やスタッフの方々、そしてオンエアと共に視聴者のみなさんの意見も踏まえて、変わっていくことができるというのもワクワクしますね。私自身も、この役がいい意味で思っていたよりも変化していったらうれしいなという想いで現場にいます。

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