『おかえりモネ』亮が放った強烈な一言 「綺麗事にしか聞こえない」に百音はどう応える?

『おかえりモネ』亮の強烈な一言

「ごめん、綺麗事にしか聞こえないわ」

 少しでも地元の人たちに役立つ情報を、そんな強い思いが先行して空回りしてしまった百音に亮の言葉は鋭く突き刺さる。震災の記憶が残る地元を一度は離れ、登米や東京での生活を経て“気象予報”というライフワークを見つけた百音。お天気キャスターとして出演したテレビを通して、その活躍ぶりは地元にも届いた。地元を離れるという選択肢が与えられなかった亮や未知にとって、そんな百音の姿は「こんな未来が自分にもあったかもしれない」と思わずにいられないものだったろう。

 百音が地元に帰るまでのプロセスや葛藤を知らない人からすれば、彼女は他人に気を配れるだけの余裕を持った“強者”に映らなくもない。亮の言葉には、どうせ百音みたいになれないのなら、ずっと手の届かない“地元の誇り”であって欲しかったという羨望や嫉妬が渦巻いているように思える。ただの意地悪じゃない、百音が願う“地元の人たちと共に生きる”ために必要な言葉だ。

 最終回まで残り1カ月、百音は亮が代弁した地元の人たちの「なんで帰ってきたの? それで、あなたには何ができるの?」という問いに応えていくことになるだろう。最後まで容赦ない脚本に胸をえぐられるが、それでも取り繕うことのない本音をぶつけられるようになった亮や、それに怯むことなく表情で覚悟を滲ませる百音の成長ぶりが頼もしい回だった。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK

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