『おかえりモネ』宮田役でも存在感発揮 石井正則の名バイプレイヤーとしての魅力

石井正則、名バイプレイヤーとしての魅力

 石井の代表作をあげるとするならば、やはり『古畑任三郎』シリーズだろう。第3シーズン(1999年)からレギュラー登場した刑事・西園寺守役を演じ、“古畑任三郎(田村正和)&今泉慎太郎(西村雅彦)コンビ”という印象を覆したのだ。生真面目すぎるキャラクターで、おっちょこちょいな今泉との対比を見事に演出。ドラマ初出演にもかかわらず、視聴者に強烈なインパクトを残した。

 その後も、『ナースのお仕事3』(2000年/フジテレビ系)での病院内のあらゆるデータを集めるのが趣味な織田和夫役や、連続テレビ小説第63作目『オードリー』(2000年/NHK総合)での生真面目なプロデューサー・関川徹役、『おかしな刑事』(2003年/テレビ朝日系)での弁護士・姉小路行人役、『のだめカンタービレ 新春スペシャル inヨーロッパ』(2008年/フジテレビ系)での計算されたジャンプなどを使った独特の指揮を行う片平元役など、“几帳面なデータ収集キャラ”として独特の存在感を発揮し続ける石井。メインキャラクターを支え、影響を与え、惹き立て続ける石井は、もはや日本を代表する名バイプレイヤーと言っていいだろう。

 『おかえりモネ』での宮田は“几帳面なデータ収集キャラ”ではないものの、菅波の人生に大きな影響を与えた人物。「“あなたのおかげで助かりました”という言葉は麻薬」と、菅波に大きなトラウマを残し続けていた。

 そんな宮田は、今回の再会で「先生、私ね、今のこの仕事、すごく好きなんですよ。ボイラーはそう簡単に取り替えが利くものじゃない。壊れたら、壊れたところを直して長く使う。何だかこの大きな装置が、自分の体のように思えてね。お客さんから“ありがとう、助かりました”って直接感謝されることも嬉しい」と自身の命とボイラーに当てはめ、また感謝される喜びを実感していることも明かした。

 この言葉は、菅波にどう届いたのか。救いの言葉となったのだろうか。この再会が菅波にとっての大きなターニングポイントとなったのは間違いない。どのような影響をもたらし、今後の展開にどう関わっていくのか、ますます目が離せなくなりそうだ。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK

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