『古見さん』“2番目の友達”が長名から万場木に 増田貴久の愛らしい心の咆哮も

『古見さん』増田貴久の愛らしい心の咆哮

 只野と友達になった前回は受動的だったのに比べて、今回は古見が能動的に万場木と友達になろうとしている姿が大きな成長を感じさせる。ポイントは「私と同じですね」と、古見もまた万場木と同じ立場になって寄り添っていること。それは只野が古見と友達になろうとした時と同じ。そして、「ひとりぼっちの心がふわりと包まれてスーッと肩の力も抜けて 私もこんな人になれたらと思いました」と古見の背中を押しているのは、只野であることが分かる。原作を否定するわけではないが、全8話の実写版において古見の成長と只野との関係性を見せるための、見事な構成である。

 原作から大きく飛躍していたところから、ラストは古見が只野に携帯番号を聞くエピソードに戻ってくるところも心憎い。「古見様」として学校のマドンナ的存在の番号を知った只野の心の咆哮を見事に再現する増田貴久がなんともかわいらしかった。

 第1回では「ニャオ」のみ、第2回においては一言も発しなかった古見が、第3回ではついに只野へと話しかける。

■放送情報
『古見さんは、コミュ症です。』
NHK総合にて、毎週月曜22:45〜23:15放送(全8回)
出演:増田貴久、池田エライザ、吉川愛、ゆうたろう、溝端淳平ほか
原作:オダトモヒト
脚本:水橋文美江
音楽:瀬川英史
主題歌:aiko
制作統括:樋口俊一(NHK)、高城朝子(テレビマンユニオン)
プロデューサー:大沼宏行(テレビマンユニオン)
演出 :岡下慶仁(テレビマンユニオン)、石井永二(テレビマンユニオン)
総合演出:瑠東東一郎(メディアプルポ)
写真提供=NHK

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる