佐藤栞里、『TOKYO MER』喜多見涼香役で好演 抜群の共感力で今後の女優業にも期待

佐藤栞里の女優としての可能性

固定イメージがないからこそ、視聴者が最も寄り添える女優に

 『TOKYO MER』の涼香役があそこまでハマったのは、まず入院している子供たちやその家族をケアするNPO法人スタッフというキャラクターが彼女自身に合っていたからだ。満面の笑みで子供たちに接する姿は、私たちがバラエティを通していつも見てきた佐藤栞里そのものである。しかし、彼女はその“普段通りの顔”以外にも様々な顔を見せてくれた。第5話では火災事故により停止してしまったエレベーター内に妊婦とともに閉じ込められる展開に。しかし、その時その場に居合わせた音羽(賀来賢人)に対し毅然とした態度で振る舞い、必死な形相で緊迫感溢れるシーンを魅せた。表情ひとつで様々な表現ができるのも、モデル経験を生かした彼女の強みである。加えて、良いテンポ感と声色で台詞を言えるのも数多くのMC経験の賜物だ。

 また、いつも番組MCなどでたくさん笑う姿など、自然な佐藤栞里の表情を知る視聴者目線としては、それを見てきたからこそ彼女の表情から心情がすぐに読み取れるようになっているのも一つ、彼女の演技力を促進する要因になっていると感じる。彼女が悲しそうな顔をしていたら悲しいし、兄を思って切ない顔をしているとこちらも胸が締め付けられる。読み取れやすさに、心情描写の説得力が伴っているのだ。まさに『TOKYO MER』の“良心”を体現するような涼香というキャラは、佐藤栞里だからこそ演じられたものである。

 
 
 
 
 
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佐藤栞里公式Instagramより

 演技経験がないから、女優としての固定イメージや癖がない。その自然体だからこそ逆に役が嘘っぽくなくて視聴者が共感しやすいというのは、今後の女優としての将来に大きな可能性を秘めているのではないだろうか。

■放送情報
日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系)
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:鈴木亮平、賀来賢人、中条あやみ、要潤、小手伸也、 佐野勇斗、佐藤栞里、フォンチー、佐藤寛太、菜々緒、鶴見辰吾、橋本さとし、渡辺真起子、仲里依紗、石田ゆり子
脚本:黒岩勉
プロデューサー:武藤淳、渡辺良介、八木亜未
演出:松木彩、平野俊一
製作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/TokyoMER_tbs/
公式Twitter:@tokyo_mer_tbs

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