『おかえりモネ』清原果耶×坂口健太郎だから成立した“魂の抱擁” 菅波と百音の誠実な歩み

清原果耶×坂口健太郎だから成立した魂の抱擁

 菅波はそんな百音の思いを受け止めるかのように、彼女を抱きしめる。自分のためにではなく、相手のために。一体、どこまで相手のことを思い合えるだと、ツッコミを入れてしまいたくなるほど、2人の精神が尊い。菅波を演じる坂口健太郎が、「愛……とも違う不思議な関係なんですよね」(参照:坂口健太郎「美しい関係をどう見せていくか」 『おかえりモネ』清原果耶へのアプローチを語る)と語っていたように、恋や愛を超えた、魂の結びつきを、2人の抱擁からは感じずにいられなかった。

 それにしても、カメラワークにも、演出にも、そしてもちろん脚本にも、すべてのスタッフに拍手を送りたいが、なんといっても坂口健太郎と清原果耶の芝居には息を呑んだ。

 上下左右にずらす視線や、行き場を失った指先の動きまで、セリフを発さないときも、身体だけでその思いが伝わってきた。心の思いをいかにして相手に届けようとしているのか、相手のことをどれほど大切に思っているのか。2人が第80話に至るまで丹念に積み重ねてきた気持ちの変化が、最後の抱擁には凝縮されていたように思う。

※高田彪我の「高」はハシゴダカが正式表記。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK

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