押井守『攻殻機動隊』が多くの映像作品に与えた影響 IMAX上映決定を機に解説

押井守『攻殻機動隊』が他作品に与えた影響

 これまで数多く制作されてきたアニメ版『攻殻機動隊』は、作品ごとに監督たちの色合いと作風、なにより素子のキャラクターのルックスが大きく異なり、それぞれの『攻殻』にコアなファンが付いているが、それでも2021年にIMAXで蘇るのが押井守版という辺り、一番最初のアニメ化のインパクトがいかに強く、ビジュアル、キャラクター、世界観が後年のエンタメにどれほどの影響を与えたかが伺われる。

 最初からPC上のデジタル作業で作られ、上映システムまでデジタルで完結する現代のアニメ映画と異なり、『GHOST IN THE SHELL』はセル画を撮影して35mmフィルムで仕上げた作品だ。35mmフィルムに込められた膨大な情報量とポテンシャルは生半可なものではなく、通常のフルハイビジョンの4倍の画素数となる4K画像まで引き上げても粗が見えない。この解像度と情報量の映像をIMAXの大画面で観られるのだから、これは押井守ファンならずとも一見の価値がある上映だろう。これまでのソフトと上映版では分からなかった微妙な色味の加減、そして暗部の階調といった色彩設計がより鮮やかに、よりクッキリと見えてくるはずだ。90年代のアニメ映画で、もはや古典と呼んでも良いぐらい繰り返し観られている映画であっても、今回のIMAX上映版では、きっと新たな発見もあるだろう。

■公開情報
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 4Kリマスター版』IMAX
9月17日(金)日米同時公開
上映館:全国35館
https://v-storage.bnarts.jp/ghost-in-the-shell/gits-theater/

『GHOST IN THE SHELL /攻殻機動隊 4Kリマスター版』
10月1日(金)公開
※上映館は後日発表
監督:押井守
配給:バンダイナムコアーツ
(c)1995 士郎正宗/講談社・バンダイビジュアル・MANGA ENTERTAINMENT
公式サイト:https://v-storage.bnarts.jp/ghost-in-the-shell/

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