『ボイスⅡ』増田貴久は優しさゆえの苦悩が似合う 樋口と白塗り野郎の過去も判明

『ボイスⅡ』樋口と白塗り野郎の過去が判明

 『ボイス』では前シリーズ含め、重い苦悩と葛藤を演じている。石川が異常をきたしていることは誰の目にも明らかで、もはや作り笑いすらできず呆然と立ちすくむことも増えてきた。純名(片山友希)の死から狂い始めた心身、樋口への信頼と感謝、相棒としての矜持、正義感ーーさまざまを抱えて揺れ動く難役に、増田貴久という優しいオブラートが効いている。元来朗らかな人間が、もはや隠せないところまで深く思い悩んでいる姿ほど、見ていて心が痛むものはない。

 第6話ではとうとう、樋口と白塗り野郎・久遠(安藤政信)の関係が明らかになった。樋口の話によると、白塗り野郎の正体は、過去に逮捕したある女性の息子。彼は被虐待児であったが、母親を逮捕・連行する樋口に対し「母さんを返せ」と、強い目で詰め寄った。その目が、白塗り野郎と重なるという。母親と引き裂かれた恨みから、大樹(鳥越壮真)との「親子の絆」を引き裂くことが目的なのではないかと、樋口は推測していた。

 久遠の闇は相当に深い。ベッドに横たわる母親の手足の色は到底、健やかなものとは思えず、おそらくとうに命は尽きているはずだ。白塗り野郎の正体は明らかになったが、その本質はまだ見えてはこない。久遠はなぜ、人々の心に火を付け、復讐の背中を押すのだろう。なぜ今になって、樋口を狙うのだろう。

 「僕がどう生きてきたか教えてあげないとね」。彼の「これまで」、そこに答えがあるのだろうか。

■放送情報
『ボイスII 110緊急指令室』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜放送
出演:唐沢寿明、真木よう子、増田貴久、宮本茉由、中川大輔、藤間爽子
原作: Based on the series “Voice”,produced and distributed
by Studio Dragon Corporation and CJ ENM Co., Ltd,and written by Jinwon Ma.
脚本:浜田秀哉
音楽:ゲイリー芦屋
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:尾上貴洋、能勢荘志、戸倉亮爾 (日テレアックスオン)
演出:大谷太郎、久保田充、西村了(日テレアックスオン)、茂山佳則(日テレアックスオン)
制作協力:日テレアックスオン
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/voice2/
公式Twitter:@voice_ntv
公式Instagram:@voice.ntv

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