『サマーフィルムにのって』は現場も青春だった? 伊藤万理華×金子大地が撮影を振り返る

伊藤万理華×金子大地、共演作で“青春”経験

撮影現場ではチェキが大活躍?

ーー金子さんはそんなハダシの周りの人物の中でも、未来人という一風変わった役柄で、ほかのキャストの皆さんとはまた少し違った立ち位置でもあります。

金子:その違いは意識しました。凛太郎は、前半ではすごく純粋な少年だからこそなにを考えているかわからないキャラクターだと思います。でもその後物語が進んで、みんなとの距離が縮まるにつれて、思わず凛太郎の“素”みたいなものが出せたら人物像がより広がるのかなと考えていました。

ーー確かに、中盤〜後半にかけてはこれまではミステリアスな存在だった凛太郎がどこか可愛くも映ります。

金子:でもちょっとみんなと馴染みすぎました(笑)。

伊藤:かわいかったです。実際に現場でみんなと仲良くなりすぎて、松本監督に「仲良すぎるから一歩離れて」って言われるぐらいでした(笑)。

金子:未来から来たことを忘れていました(笑)。

伊藤:本当に忘れていたんです! 撮影の時に「あ、俺未来人だった」って言っていました(笑)。

金子:撮影がとにかく楽しかったんです。

ーー現場がすごくいい雰囲気だったと。

伊藤:すごく和気あいあいとしていましたね。現場の思い出作りをしたくて、みんなと仲良くなるためにチェキを買ったんです。自分から話しかけるのもいいけど、一番すぐ仲良くなるには写真なんじゃないかとなんとなく思って。休憩時間にお互いを撮り合ったりしました。そうしたら、みんなが心を開いてくれた感じがして。

金子:買ってたね。あれ、僕はものすごく嬉しかったです。

伊藤:よかった(笑)。

金子:すごいたくさん撮ってたよね?

伊藤:びっくりするぐらいたくさんフィルムを買ってしまって。桜が咲いているとき、一度撮影が中断になってしまったんです。その日に、中断する前にみんなで思い出を作ろうってことになって、桜が満開の場所に行ってみんなで集合写真を撮ったりもしました。撮影の合間時間のことではあるんですけど、そういう思い出が映像にも反映されているんじゃないかと思います。

金子:チェキは大活躍でしたね。僕も撮らせてもらったりしました。

伊藤:金子くんはセンスがめちゃくちゃ良いんですよ! でも、本当にそんな一瞬一瞬の時間が愛おしいと思えた現場でした。私、映画の現場で同世代の共演者の方とここまで密に関わったことがないから、すごく嬉しい時間でした。

金子:僕もここまで共演者の方々と仲良くなることはなかなかないです。こんなに気の合う人たちがそろって、1つの作品を残せたというのはすごく幸せなことだと思います。

ーーすごく青春映画らしい一作ですが、お二人にとって青春とは?

金子:でも、本当にこの作品の撮影をしているときが青春だと思いました。青春って、過去だったり学生時代をイメージしがちだと思うのですが、そうではなくて今この時間でもみんなでなにかを作ろうと思ったらそこに青春はあるんだなって。この作品で青春したんだっていう実感を、撮影終了から1年経った今感じています。すごくロマンチックなこと言ったね(笑)。

伊藤:ロマンチックだね。私も演者として関わった作品で、ここまでいろんな感情を素直に受け取って演じ切ったと思えた作品って、『サマーフィルムにのって』が初めてかもしれないです。そういう気持ちをこの先、どの作品に対しても感じられるかというと、そうじゃないと思うんです。やっぱり作品のカラーや自分の立ち位置、時期にもよって変化する部分も多いですし。だからこそ、この瞬間でしか感じられなかったものがいっぱいあったという意味で、私もこの作品に参加していた時間は青春だったなと思います。

ーーこの作品を観た方にどんな気持ちで映画館を出てもらえたら嬉しいですか?

伊藤:好きなものに熱中することの素晴らしさが観客の皆さんに届いてくれたらと思います。そんな瞬間がどこかにあった大人の方たちに思い出してもらったり、これからなにかしたいと思っている若い方たちの後押しになる作品になったら嬉しいです。

金子:こんなご時世だからこそ、一つの映画、エンタメとして純粋に作品の時間を楽しんでいただきたいです。皆さんがどんな感じ方をするのか僕も気になるので、感想は書きまくってほしいです! こっそりチェックします(笑)。

■公開情報
『サマーフィルムにのって』
新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイントほかにて公開中
出演:伊藤万理華、金子大地、河合優実、祷キララ、板橋駿谷、甲田まひる、ゆうたろう、小日向星一、池田永吉、篠田諒
監督:松本壮史
脚本:三浦直之(ロロ)、松本壮史
主題歌:Cody・Lee(李)「異星人と熱帯夜」(sakuramachi records)
制作プロダクション:パイプライン
配給:ハピネットファントム・スタジオ
(c)サマーフィルムにのって製作委員会
公式サイト:phantom-film.com/summerfilm
公式Twitter:@summerfilm_2020

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