映画『SLAM DUNK』を井上雄彦が手がける理由とは? 最新技術を駆使した再現性への期待

 正直、最初に「監督/脚本 井上雄彦」のクレジットを見た時、筆者の胸には期待と不安の入り混じった思いがわいた。

 期待する部分は、言うまでもなく原作の再現性だ。英語でdirectorというように、監督とは作品の方向性を判断する役職である。新作映画の内容はいまだ明かされていないが、原作者が監督を務める以上、物語や設定に原作漫画と異なる点があっても、それは原作漫画の発想の延長線上にあり、世界観が大きく逸脱することはないだろう。

 不安に感じた部分は、漫画とアニメという表現方法の違いについてだ。井上雄彦の漫画家としての才能は、誰もが認めるところだろう。だがアニメ監督としての才能は未知数だ。漫画とアニメの違いはいろいろある。だが根本的な違いとして、漫画が静止していているのに対して、アニメは動いている(ように見える)点があげられる。それは作品内に、絶対的な“時間”が存在しているということでもある。しかし考えてみれば、すでに井上雄彦は『リアル』でそれを指摘しているではないか。そう気づいた時、期待値は不安を大きく上回った。25年の時を経たいまだからこそ純度100パーセントの井上雄彦による動く『SLAM DUNK』が観られるのだ、と。

 物語はやはりテレビの続きのインターハイからだろうか。ティザー映像のスタッフに、CG関係やAnimatorが多かったから、バスケットのシーンは3DCGを活用したダイナミックなものになるではないか。

 大好きなバスケットが待っている2022年秋、きっと「天才ですから」と笑って、あの赤毛はあのままの姿で帰ってくる。

■公開情報
映画『SLAM DUNK』(タイトル未定)
2022年秋公開
監督・脚本:井上雄彦
配給:東映
(c)I.T.PLANNING,INC.
(c)2022 SLAM DUNK Film Partners
公式サイト:https://slamdunk-movie.jp/
公式Twitter:https://twitter.com/movie_slamdunk/
公式Instagram:https://www.instagram.com/slamdunk_movie/
公式Facebook:https://www.facebook.com/movie.slamdunk/

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