『ワイスピ』最新作、三つの懸念を吹き飛ばしオープニング10億円突破

『ワイスピ』最新作、オープニング10億円突破

 先週末の動員ランキングは、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』が土日2日間で動員35万2000人、興収5億5300万円をあげて初登場1位に。公開がちょうど3連休(最近の休日は新しい祝日のせいなのかオリンピックのせいなのかもうよくわかりません)の直前となったわけだが、そんなカレンダーも味方につけてオープニング4日間の動員は69万6623人、興収は10億6156万4450円と、文句なしの大ヒットスタートとなった。

 『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』の興行については、いくつか懸念材料があった。一つは、これは『ワイルド・スピード』シリーズに限ったことではないが、2020年春から2021年夏へと、コロナ禍によって公開が1年以上大幅に延期になったこと。作品のジャンルやテーマ的にそれほど影響はないのではないかと思われるかもしれないが、製作費に数億ドルが投じられる世界的フランチャイズ作品というものは、大衆の欲求を的確に捉えて、前作からの流れを引き継ぎ、次作への期待を掻き立てるという、綱渡りのように繊細な作業の積み重ねが必要とされるもの。そういう点では、有料配信での目減り分をふまえた『ブラック・ウィドウ』と比べても、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』はグローバルでも日本でも数字をキープしている。

 二つめは、2017年春に公開された前作『ワイルド・スピード ICE BREAK』との間に、シリーズのファンにとってはあまり評判が芳しくないスピンオフ作品『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』を挟んでいたこと(2019年8月公開)。海外ではタイトルの時点で明確な差別化が図れられていた同作に、日本では堂々と『ワイルド・スピード』のシリーズタイトルが冠せられていた。日本での『ワイルド・スピード ICE BREAK』の最終興収はシリーズ最高となる40.5億円。一方、『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』の最終興収は30.6億円。『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』の初動成績から、少なくとも『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』を下回ることはなさそうなのでホッとしているが、このような紛らわしい日本タイトルはフランチャイズ全体の信頼にも関わることなので、今後はより慎重な配慮を願いたい(といっても、ほぼ間違いなく『Hobbs & Shaw』の続編にも「ワイルド・スピード」の名前はつくだろうが)。

 最後の懸念材料は、土曜日に閉会した東京オリンピックの影響と、現在もデルタ株の感染が広がっているコロナウイルスの影響。これも結果的に「ほとんど影響がなかった」と言うことができるが、前者はともかく、後者についてはどのように判断すればいいのか? 少しでも早く現在の「第五波」が収まることを願うと同時に、万が一にも、行政からこれ以上の映画館の締め付けがおこなわれないことを祈るばかりだ。

■公開情報
『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』
全国公開中
出演:ヴィン・ディーゼル、ミシェル・ロドリゲス、タイリース・ギブソン、クリス・“リュダクリス”・ブリッジス、ジョン・シナ、ジョーダナ・ブリュースター、ナタリー・エマニュエル、サン・カン、ヘレン・ミレン、シャーリーズ・セロン
監督:ジャスティン・リン
脚本:ダン・ケイシー
キャラクター原案:ゲイリー・スコット・トンプソン
製作:ニール・H・モリッツ、ヴィン・ディーゼル、ジェフ・カーシェンバウム、ジョー・ロス、ジャスティン・リン、クレイトン・タウンゼント、サマンサ・ヴィンセント
配給:東宝東和
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