『おかえりモネ』夏木マリ演じるサヤカは完璧だった 百音を導いた厳しさと優しさ

『おかえりモネ』夏木マリ演じるサヤカは完璧

 第44話でサヤカは百音に舞を舞うことは、能では陰と陽のバランスを整えることだと話していた。舞うことで天の陰陽を整えて恵の雨を降らせるというサヤカの強さと優しさに包まれて、百音は自分のやりたいことを見つけられたのだ。「行きなさい。自分の思うほうへ」と背中を押してくれる存在がどれほどありがたいことか、百音は今後そのありがたさを強く実感することになるのだろう。

 百音が旅立った後、森に残ったサヤカの足下にはヒバの新芽がきらめき、空には七色に輝く彩雲が浮かんでいた。「山の神様! いや、海の神様でも空の神様でもいい。どうかあの子に! よい未来を」と百音の未来のために祈りを捧げるサヤカのことも祝福しているような清々しさと最終回のような達成感まで漂っていた。

 サヤカがこんなにも完璧な場面を作り、快く送り出してはくれたが、百音は住む場所も就職先も決めないまま東京に向かっている。無計画で純粋すぎる百音が自立して本当にやっていけるのか……。次に始まる東京編、さらなる成長を見守る喜びと新しい挑戦への期待が高まる。

■池沢奈々見
恋愛ライター。コラムニスト。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK

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