『おかえりモネ』浅野忠信と永瀬廉が表現する深い悲しみ 最愛の人を失った新次と亮の過去

『おかえりモネ』最愛の人失った2人の過去

 2011年5月。泥だらけの家族写真。真っ黒に汚れた大漁旗。布団に入ったまま、新次は携帯の留守録を再生する。時刻は2011年3月11日、午後3時10分。電話の主は美波だ。亮の所在を伝え、夫の安否を気づかういつもの声。「お父さん、船、沖に出せた? 無理しないでね」。それが最後になった。

 新次は携帯を耳に当てて、すすり泣く。自分のことを待ってくれた人は、かもめのようにひとり海の向こうへ行ってしまった。それでも待ち続ける新次。待っていれば、いつか電話がかかってくるかもしれない。そんなことはないとわかっていても、そうしてしまうのだ。最愛の人を失った男たちの悲しみは海よりも深い。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログTwitter

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK

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