向井理と横浜流星の行動がリンク 『着飾る恋には理由があって』真柴へ届かない駿の電話

『着飾る恋』真柴へ届かない駿の電話

 そんな余裕のない2人に漂う嫌な予感は的中。お客様の都合とはいえ、間に合う連絡を入れることができなかった駿は、全速力で真柴のもとに向かう。前回いつ電源を入れたかもわからないスマホを取り出すも、時すでに遅し。真柴の隣には同じく一目散に駆けつけた葉山の姿があった。

 何度もかけた駿の電話は、真柴のスマホに知らない番号として表示される。本当は誰よりも待ちわびている人からの連絡なのに。交差点の向こう側から「マメシバ真柴」ではなく「くるみ」と呼んだにも関わらず、その声は真柴に届かない。彼女にとって、誰よりも呼ばれたい人からの名前なのに……。

 これまでバックハグやそっと重なる手、愛しく見つめる眼差しなど、多くのキュンを生んできた本作だが、8話にいたってはキュッと胸が詰まる展開に息が苦しい。深呼吸ができる場面といえば、想いを打ち明けあった陽人(丸山隆平)と羽瀬(中村アン)のカップルが微笑ましいほどに素直であることだ。

 人は余裕がなくなると、いとも簡単に素直で温かな関係性が崩れていく。それは同じ空間にいれば、物理的な距離が補ってくれるかというとそうではない。きっと陽人と羽瀬だって、塩対応のままであれば今の穏やかな関係は始まらなかったはずだ。

 すぐそばにいると思っている人に対して、耳を傾けているだろうか。声をかけているだろうか。わかっているはずだと、たかをくくってはいないだろうか。そう、このドラマは語りかけてくれるようだ。いっぱいいっぱいなときこそ、「どうしたいの?」を自分自身で問いかけようではないか。やわらかな光の中で、駿と真柴がお互いに聞き合ったように。

■放送情報
火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:川口春奈、横浜流星、 飯尾和樹、山下美月(乃木坂46)、 高橋文哉、赤ペン瀧川、丸山隆平、中村アン、向井理、夏川結衣
脚本:金子ありさ
プロデュース:新井順子
演出:塚原あゆ子
編成:松本友香、川島優子
主題歌:星野源
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/kikazarukoi_tbs/
公式Twitter:@kikazarukoi_tbs
公式Instagram:kikazarukoi_tbs

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる