『おかえりモネ』震災をめぐる百音の後悔 心に負った傷と変わらず昇る朝日

『おかえりモネ』震災が百音に与えた呪い

 震災の出来事を思い出し、早朝に目を覚ました百音は縁側で波の音を聞いていた。そこに亮が顔を出し、百音を浜に誘う。明日美(恒松祐里)、三生(前田航基)、悠人(高田彪我)、未知も集まり、昇る朝日を眺めた。

 その中で、誰よりもはしゃぐ三生。お寺の息子である彼も震災で多くの死を見届け、責務の大きさに葛藤していた。そして、そんな三生の気持ちを汲み取る亮もまた、父・新次(浅野忠信)との関係性に人知れず悩んでいる。言葉にせずとも明日美、三生、未知もきっとそれぞれの思いを抱えているだろう。

 未来はどうなるのか、自分は何を目指し、大好きな島のために何ができるのか。海から陸へと向かって吹いてきた「海風」が彼女たちを包む。心に負った傷は何年、何十年経っても簡単に癒えるものではない。けれど、百音が大好きだった海も風も、みんなと見る朝日も変わらずそこにある。

■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。

※高田彪我の「高」はハシゴダカが正式表記。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK

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