『ネメシス』明かされた黒幕の正体 広瀬すず演じるアンナの過去判明で物語は最終局面に

『ネメシス』明らかになった黒幕の正体

 そして終盤で、自身が“真の黒幕”であることを語り出したのは、大方の予想通り朋美(橋本環奈)であった。たしかに、これまでの事件を振り返ってみたとき、“遺伝子”というキーワードを求めた第1話から、第2話では芽衣子の育った施設、第4話では菅容子(今村美乃)の出身校と、なんらかのかたちで20年前(ないしは19年前)とのリンクが見受けられる。しかし朋美の初登場回である八景島を舞台にした爆弾事件の第3話に関しては、風真がイルカの調教師をしていたという過去を除いてそのようなものは描かれていなかった。

 しかもアンナと朋美が出会ってすぐ、アトラクションのなかで朋美は突然アンナの名前を呼び、そこで初めて自分の名前を名乗るシーンがあった。どこか不自然なこのやりとりは、アンナの名前をあらかじめ知っていたということだったわけだ。アンナの前で裏の顔を見せた朋美が明かしたのは、自分が菅容子の娘であり、菅容子がすでに亡くなっているということ。始の研究データをねらっていること以外、真の目的がまだ見えていない菅研。この(予想の範疇といえども)充分に意外性のある黒幕の存在は、物語を大いに面白くしてくれることだろう。

■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
日曜ドラマ 『ネメシス』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30~23:25放送
出演:広瀬すず、櫻井翔、勝地涼、中村蒼、富田望生、三島あよな、山﨑紘菜、橋本環奈、
大島優子、上田竜也、石黒賢、真木よう子、仲村トオル、江口洋介
総監督:入江悠(1・2・3・6・8・9・10話担当)
監督:片桐健滋(4・5話担当)、岸塚祐季(7話担当)
脚本:片岡翔、入江悠
脚本協力: 講談社タイガ、今村昌弘(1・3話担当)、藤石波矢(2・6話担当)、周木律(4話担当)、降田天(5話担当)、青崎有吾(7話担当)
企画・プロデューサー: 北島直明
プロデューサー:里吉優也、次屋尚、田端綾子
制作会社:クレデウス
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:www.ntv.co.jp/nemesis
公式Twitter:@nemesis_ntv
公式Instagram:@nemesis_ntv

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる