竹野内豊×黒木華『イチケイのカラス』新章が幕開け ドラマの本質を突く重要なテーマ

『イチケイのカラス』第8話は新章の幕開けに

 そしてもうひとつは、判決を決める際に書記官研修生の前橋(渡辺祐太郎)が言う「必要なのは刑罰じゃなくて適切な治療」という言葉だ。刑罰はそもそも、ふたたび罪を犯すことのないように教育することを目的として科すものである。次の被害者を生まないため、次の犯罪が起きないようにするために司法が向き合う手段のひとつであり、万引きや性犯罪など常習性の高い犯罪の場合には再犯を防ぐための治療が必要なケースも少なくない。だからこそ、入間のスタンスのように軽微な罪であっても真実を追求することが重要となってくるわけで、この何の変哲もないエピソードも、意外とこのドラマの本質を突く重要なテーマを持っていたと言わざるを得ない。

■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『イチケイのカラス』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:竹野内豊、黒木華、新田真剣佑、山崎育三郎、草刈民代、小日向文世、中村梅雀、升毅、桜井ユキ、水谷果穂ほか
原作:浅見理都
脚本:浜田秀哉
音楽:服部隆之
プロデュース:後藤博幸、有賀聡、橋爪駿輝
編成企画:高田雄貴
演出:田中亮、星野和成、森脇智延、並木道子
制作協力:ケイファクトリー
制作・著作:フジテレビ第一制作室
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/ichikei/
公式Twitter:@ichikei_cx

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる