三石琴乃、花澤香菜ら声優陣がドラマやバラエティで活躍 背景にはコロナ禍の影響も?

三石琴乃、平野綾らテレビで活躍する声優たち

収録スタイルの変化が要因に

 これまでCSやBSで制作する声優バラエティ番組は多々あり、『鬼滅の刃』に端を発した声優のブームと一般的な認知を経て、それが地上派に波及したという流れがあるだろう。またブームという側面以外にも、コロナ禍におけるアフレコ現場の収録スタイルの変化が影響しているようだ。

 アニメのアフレコ収録は基本的に平日の昼間で、キャストが一堂に会してアフレコが行われる。人気声優となれば同時期に何本もの作品に出演するため、月曜から金曜までスケジュールはびっしり。加えて夕方以降は、取材やラジオ出演、土日祝日はライブやイベント出演などの音楽活動と、テレビ収録に割く隙間もなかった。しかしコロナ禍で新作アニメの制作本数が大幅に減少し、現在のアフレコは少人数単位で収録するスタイルになったことで、スケジュールに余裕ができ、テレビ番組の撮影に合わせることができるようになった。

 また声優のマインドとして、昨年からYouTube配信を始めた声優が増えるなど、アニメ作品以外にも活動の場を求める傾向が増している。スケジュール問題が解消されたことで、その選択肢の一つにテレビ出演も考えられるようになったということだろう。

 テレビ側としては、一時期はYouTuberがバラエティに多く出演していたが、YouTuberは地方在住者が多く契約などで問題を抱える人も多いため、近頃は一部を除いて敬遠されている。その点で声優はクリーンなイメージで、「鬼滅ブーム」などのおかげで視聴率にも貢献してもらえるメリットがある。もう一つの活躍の場を求める声優側と、番組を彩ってくれる新たな顔を求めるテレビ側。声優のテレビ出演は、両者の需要と供給が合致したウィンウィンの結果だと言える。

■榑林史章
「山椒は小粒でピリリと辛い」がモットー。大東文化大卒後、ミュージック・リサーチ、THE BEST☆HIT編集を経て音楽ライターに。演歌からジャズ/クラシック、ロック、J-POP、アニソン/ボカロまでオールジャンルに対応し、これまでに5,000本近くのアーティストのインタビューを担当。主な執筆媒体はCDジャーナル、MusicVoice、リアルサウンド、music UP’s、アニメディア、B.L.T. VOICE GIRLS他、広告媒体等。2013年からは7年間、日本工学院ミュージックカレッジで非常勤講師を務めた経験も。

■放送情報
金曜ドラマ『リコカツ』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:北川景子、永山瑛太、高橋光臣、白洲迅、大野いと、田辺桃子、中田クルミ、平岩紙、宮崎美子、酒向芳、三石琴乃、佐野史郎
脚本:泉澤陽子
演出:坪井敏雄ほか
プロデュース:植田博樹、吉藤芽衣
主題歌:米津玄師「Pale Blue」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作著作:TBS
(c)TBS

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる