『ヴェノム』続編は壮大なスパイダーバースの始まり? カーネイジだけじゃない予告編を考察

『ヴェノム』続編の予告編を徹底考察

 あのヴェノムが帰ってくる!

 5月10日、ほぼ全世界同時で『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(9月24日全米公開予定)の予告編がリリースされました。2018年に公開され日本でも大ヒットした『ヴェノム』の待望の続編です。

『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』予告1 2021年 全国ロードショー

 この予告編では、ウディ・ハレルソン演じる、ヴェノムの敵カーネイジがお披露目となり話題になっています。一体、カーネイジとは何者なのか? そして『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』がアメコミ映画好きをワクワクさせるポイントとは? 

 

まずヴェノムは、マーベルのキャラでスパイダーマンのコミックに登場します。コミックの設定ではエディ・ブロックという男に寄生型の宇宙生物/シンビオートが憑依し生まれた超人。このシンビオートはスパイダーマンことピーター・パ―カーが一時期着ていた黒いスパイダーマンのコスチュームそのものであり、スパイダーマンの能力をコピーしているのです。エディはスパイダーマンのことが嫌いでしたからヴェノムはスパイダーマンの敵として立ちふさがります。ヴェノムが黒いスパイダーマン×怪物のようなルックスをしているのはこのためです。ヴェノムはヴィランとして登場しましたが、ヴェノムなりに人を助けたり悪人を倒したりとヒーローらしいこともしておりダークヒーローでもある。

 けれど、映画『ヴェノム』にはスパイダーマンは出てきませんでしたよね? 実は映画『ヴェノム』はマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)ではなくスパイダーマン系キャラの映画化権を持つソニー・ピクチャーズがMCUとは別に作った作品で、あえてスパイダーマンを出さずヴェノムを主役に据えたのです。え、でも前にスパイダーマンとヴェノムが戦った映画を観たことがある、という方もいるかもしれません。その通りです。MCUが本格化する以前に作られた、トビー・マグワイア出演の『スパイダーマン3』にヴェノムは一度登場しています。トビー版スパイダーマンは一旦終了しましたから、このヴェノムの延長ではない。

 つまり、映画『ヴェノム』はMCUおよびかつての『スパイダーマン3』の“しばり”をうける
ことなくヴェノムというキャラを自由に使った作品です。

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