今語るべきは「愛」ではなく「筋」なのでは? 全興連の声明文に思う

 先週末の動員ランキングは1位から3位まで先週とまったく同じ。有力な新作の公開がストップしているので当然だろう。4週連続1位の『名探偵コナン 緋色の弾丸』の土日2日間の成績は動員12万4000人、興収1億7700万円。4週目の週末を終えた時点での累計興収は約59億円。シリーズ近作の同期間における興収は、前作『紺青の拳』が75億2065万1500円、前々作『ゼロの執行人』が興収62億2251万5600円。こちらも当然だが、緊急事態宣言による4都府県への休業要請の影響が如実に表れているかたちだ。

 さて、本日5月12日から、その緊急事態宣言は新たなタームに入り、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県で延長されるほか、愛知県と福岡県が加わって対象地域が6都府県に拡大。沖縄県、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛媛県に発出中のまん延防止等重点措置も、5月9日から北海道、岐阜県、三重県が追加されて8道県に拡大。いずれも当面の期限を今月31日としている。東京都と大阪府では、緊急事態宣言の延長時に政府が示した緩和策とは異なり、百貨店、ショッピングセンター、映画館などの大型施設への休業要請が続行されることとなった。

 先週の本コラム(参考:イベントはOK、オリンピックもまだやるつもり、でも「映画館には休業要請」の怪)で取り上げた(医療の逼迫が大阪府ほど深刻ではない)東京都の独自方針については、映画関係者だけでなく、規制のもと有観客での再開が許可されたライブイベント関係者や演劇関係者からも困惑や異論の声が寄せられていて、同情的なスタンスでの報道も多くされている。

 そんな中、全興連(全国興行生活衛生同業組合連合会)は緊急事態宣言延長決定直前の5月6日に続いて、5月11日に「東京都における緊急事態措置に対する声明文」として新たな声明を発表。しかし、「緊急事態宣言の延長に伴う映画館・演芸場への休業要請に対して」と題されていた前回の声明が業界団体としてのロビイング色が強かったのに対して、今回は「映画を愛する皆様へ」と題されていることにも表れているように、劇場関係者や観客に対して、理不尽な現状を説明することに終始している内容だ。

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