『君と世界が終わる日に』S2は“人間同士”のドラマに さらに増した衝撃度とリアリティ

『きみセカ』S2で遂げたパワーアップ

 ウイルスの発生源や被害状況など謎だらけだった前シーズンと比べると、Season2は舞台をシェルターとその周辺に限定し、結果として人間同士の争いがクローズアップされている。実在のリゾートホテルを使用していることや、ウイルスの脅威を避けて屋内で過ごすといった昨今の社会状況に通じる設定によって、現実とリンクしたパラレルワールド的な世界観が前景化している。加えて、資源の奪い合いや居住者間の差別など、そこで起こる事件の生々しさは、私たちにとっても他人事ではない。人間性を問いかけるゾンビドラマのテーマはさらに深化しているようだ。全6話とコンパクトなSeason2は物語への没入感が強化されており、視聴形態も配信ということで、GWに入る今こそ一気見をお勧めしたい。

 終末世界を描いた『君と世界が終わる日に』で「君」は最愛の人を指している。Season1を観てきた人には、「終わる」というのが死あるいはゴーレムになってしまうことだとわかるだろう。首藤にとっての妻、ジアン(玄理)にとってのミンジュン、勝利にとっての愛奈(新津ちせ)、あるいは多くの犠牲者にとっての家族がそれに当たる。Season2では響と来美がさらなる試練に見舞われる。ゴーレムウイルスがもたらすもう一つの「終わり」に2人はどう向き合うのか? 3度目の緊急事態宣言が発令される中、命をめぐるドラマがどんな愛の形を残すか見届けてほしい。

 さらに、先日S3の制作も発表。果たしてS2の後にどんな景色が待ち受けているのだろうか。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログTwitter

■配信情報
『君と世界が終わる日に』
Season1(全10話)・Season2(全6話):Huluにて全話独占配信中
出演:竹内涼真、中条あやみ、笠松将、飯豊まりえ、本郷奏多、吉沢悠、真魚、三浦りょう太(※三浦りょう太のりょうはけものへんに寮のうかんむりなし)、キム・ジェヒョン
脚本:池田奈津子
音楽:Slavomir Kowalewski、A-bee
制作:福士睦、 長澤一史
チーフプロデューサー:加藤正俊、茶ノ前香
プロデューサー:鈴木亜希乃、高橋浩史、伊藤裕史、山田信義
協力プロデューサー:白石香織
演出:菅原伸太郎、中茎強、久保田充
制作協力:日本テレビ、日テレ アックスオン
製作著作:HJ Holdings,Inc.
(c)NTV/HJホールディングス
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/kimiseka/
公式Twitter:@kimiseka_ntv
公式Instagram:@kimiseka_ntv

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